研究課題/領域番号 |
22390417
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研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
勝原 裕美子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 臨床教授 (60264842)
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キーワード | 看護指標 / エビデンス / データベース |
研究概要 |
平成23年度は、看護指標を用いたデータベース構築に向け、看護指標の確定を行った。 1.看護指標案の作成:看護成果分類(NOC)の各類からなる24種類の成果ラベルをもとに、急性期の臨床現場で有用と思われる28の看護指標案を作成した。それぞれの看護指標案の妥当性を確認するために指標内容のエビデンスの有無について文献検討を実施。エビデンスを示す文献がほとんどないことがわかったため、看護指標案を用いた試行調査を行い、臨床現場における表面妥当性を確認することとした。 2.指標案に基づく試行調査:所属機関の研究倫理審査会にて調査開始の承認を受けた。28の指標案について、平成23年7月~12月の連続する2ヶ月間のデータ収集をすでに研究協力の意思表示を示している38の病院に依頼した。26施設から調査協力の返答が得られたため調査票を送付したが、調査票が返却されたのは19施設からであった。なお、データ収集と同時に、表面妥当性およびデータ収集に際しての簡便性についての意見を記載してもらうこととした。 3.指標の確定:得られたデータの内容、および自由記載欄を詳細に検討。定義、データ収集方法、データ算定方法などに修正を加え、指標を確定した。現場で簡便に用いることができ、現場感覚として現場の成果を表現することのできる看護指標が確定できた意義は大きい。しかし、エビデンスの蓄積によって、今後、指標の修正、洗練、追加は随時行って行く必要がある。継続的にデータ収集を行い、データを蓄積し、データを分析できるシステムの構築を行うことが課題である。 4.次年度の計画:平成24年度は、確定した看護指標を用い、データベースの施行事業を開始する予定。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでなかった看護指標案を新しく作成するにあたり、エビデンスの有無を調査したがほとんどみつからなかった。そのため、多様な指標の妥当性について研究者間で合意形成をするのに予想外の時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
当初は、国民がアクセスできるデータベースの構築までを目指す予定であったが、まずは看護職間で信頼のおけるデータベースを作り上げることが重要だと考える。また、データベースを運用するには、セキュリティの問題をクリアーし、相当慎重に作動性を確認しなければならない。当初の予定を変更し、本研究では、看護職間で信頼のおけるデータベースの基盤を構築することを最終ゴールとし、十分な時間をかけて安全な運用方法を確定することとする。
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