研究課題/領域番号 |
22390420
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
林 裕子 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 准教授 (40336409)
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研究分担者 |
日高 紀久江 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00361353)
大内 潤子 北海道大学, 大学院保健科学研究院, 助教 (00571085)
福良 薫 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (30299713)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 看護 / リハビリテーション / 脳波 / 睡眠と覚醒のリズム |
研究概要 |
意識障害患者のリハビリテーション看護プログラムを検討するために、長期化した意識障害(以下、意識障害)患者の24時間の睡眠と覚醒リズムを確認する。方法は、対象者は2名の意識障害患者で、A氏(59歳、女性)は左IC-PCのSAH術後に左前頭葉-側頭葉にかけて脳梗塞を合併してから59日目、B氏(53歳、女性)は腸術後の心肺停止により低酸素脳症で発症から260日目であった。介入は、対象者の回復に合わせながら昼間は専門的なリハビリテーションと看護による生活行動を他動的に行う介入と、夜間は体位変換とおむつ交換のみ施行した。データは昼間と夜間にそれぞれ2時間ほど前頭葉のαとβ波を測定することと、機能的自立度評価(以下、FIM)を4週に1回評価した。分析方法は2事例を比較した。その結果、A氏は、昼間の活動時には、β波の発現が顕著であり刺激に応じて変動し、夜間はα波とβ波の発現数は減少していた。B氏は、昼間も夜間もα・β波ともに発現数が少なく、刺激に応じた変動は見られなかった。また、両者における介入前のFIMは、運動FIM13/91、認知FIM5/35点であった。A氏は介入3か月目で運動FIM17/91、認知FIM5/35点、5か月目で運動FIM22/91、認知FIM5/35点、7か月目で運動FIM26/91、認知FIM7/35点となった。しかし、B氏のFIMは介入前と同じであった。このことから、意識障害患者であっても、睡眠と覚醒のリズムを確認できたのは1名であった。それはSAH術後で広範囲の脳梗塞があっても、活動している脳があるため、覚醒時に、さまざまな刺激に対し大脳が活動することか可能になり、生活行動が確立してきたと推測される。したがって、意識障害患者へのリハビリテーション看護において、大脳半球の損傷程度を確認しつつ、覚醒と睡眠のリズムの確立や、覚醒時の刺激の意義は大きいと示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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