研究課題/領域番号 |
22390423
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
樗木 晶子 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60216497)
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研究分担者 |
川本 利恵子 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40144969)
中尾 久子 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80164127)
筒井 裕之 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70264017)
長谷部 直幸 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30192272)
樗木 浩朗 保険医療経営大学, 教授 (70607093)
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キーワード | 医療・福祉 / 看護学 / 循環器・高血圧 / リハビリテーション / 臨床 |
研究概要 |
今年度は九州大学及び、北海道大学、旭川医科大学において心不全患者を対象としたフットサウナの血行動態や睡眠に対する効果を検討し、その機序に迫る知見も得つつある。 九州大学病院循環器内科では今年度までの症例数は心不全患者24例に増えた。膝下を遠赤外線足温器(フットサウナ)を用いて暖めることにより、深部体温を平均0.26度上昇させ温熱による心不全や睡眠の質の改善効果を検討した。フットサウナは45℃での加熱15分に加えて保温30分の45分間の使用で十分な深部体温の上昇を血行動態の変化無く安全に得ることができ、これを3日間就寝前に連用する事によって、その前後での血中生理活性物質(hANP,BNP等)や抗酸化物質、尿中カテコラミン、8-OHPG(8-Hydroxyguanosine)と血流依存性血管拡張反応検査(FMD検査)を加温の前後で行った。また、睡眠に対する効果は一般的な睡眠調査票であるOSA睡眠調査票、セントマリー病院睡眠質問票により使用前3日間と使用後3日間の調査を行った。連続使用前後でもFMDと酸化ストレスマーカー、尿中8-OHDGの改善が見られ、睡眠調査では夢見などにおいて改善をみた。以上の結果から膝下をフットサウナで温めることにより全身の体温が上昇し、3日間続けることにより安定した血管内皮機能の改善や睡眠改善効果が得られると考えられた。現在、北海道大学においても、温熱効果が睡眠に及ぼす効果を検討中であり、旭川医科大学では心不全患者におけるヒートショックプロテインの変化をフットサウナ前後で計測し、これが増加していることを見出している。今後、北海道大学、旭川医科大学でも症例を増やして行く予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
九州大学が中心となって研究を遂行するが、寒冷地での効果を検討するために北海道大学と旭川医科大学に分担研究を依頼している。九州大学での症例数は当初の計画以上に進行しているが、分担研究施設での研究の進行が予定より遅れている。以上の理由より(1)おおむね順調に進展していると自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究より、睡眠に対するアンケート調査では主観的睡眠調査であるために温熱の効果に対する評価のインパクトに欠いていた。そこで、来年度からは睡眠時無呼吸検査に使用される簡易型睡眠モニター装置を用いて温熱の睡眠に対する効果を測定する予定である。これにより、客観的な睡眠に対する効果を判定することができる。また、北海道大学、旭川医科大学での研究遂行を円滑に行えるように現地での研究補助の強化を検討する。
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