研究課題
日本における性暴力被害者に対して、看護師ができるだけ早期にかつ適切な配慮ある看護ケアを提供するための「実践モデル」を開発することを目的として、下記について実施した。性暴力被害者支援看護師(Sexual Assualt Nurse Examiner:SANE)への実態調査「NPO女性の安全と支援教育センター」を通じて、過去11年間のSANE研修会修了生に本研究参加を依頼した。当該センターでフォローアップ可能な194名中、78名が研究参加に応じた。その中でアンケートの返信のあった者は68名、SANEよよび関係者の12名が面接に参加し、1名がアクションリサーチに参加した。研修修了生は,自分の持ち場で教育・啓発,施設でのチームとしての対応や電話相談などの直接支援活動など様々な活動をしていた。専門的な知識をもった看護職が確実に増えているということは,対応の改善や社会変革へ少なからずよい影響を及ぼしていると考えられる。面接参加者においては、民間、行政機関での前例のない急性期のみならず慢性期も含めた被害者支援のモデルつくり、運営、相談員としての参加している者、身近な地域や関連組織の中で、自分なりにSANEとして活動を広げたり、性暴力被害者支援センターの設置、直接支援に関わっている者などが多かった。海外のSANEの活動と比較すると、多職種の中での役割の確立や活動の広がりについては問題意識を持っていた。これらのSANEの実践例から被害者支援の看護実践モデルとして提示できる可能性がある。諸外国の資料と実践報告との比較も加え、日本における支援システム作りと看護職として被害者支援を社会的への啓発、実践者同志の相互のネットワーク作りや経験の共有の場の創設する必要性などの課題が明らかになった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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茨城県立医療大学紀要
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母性衛生
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