研究課題/領域番号 |
22390427
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
稲吉 光子 北里大学, 看護学部, 教授 (60203212)
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研究分担者 |
茶園 美香 慶應義塾大学, 看護学部, 准教授 (10269516)
新藤 悦子 慶應義塾大学, 看護学部, 准教授 (20310245)
林 直子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (30327978)
熊田 奈津紀 北里大学, 看護学部, 助手 (50614187)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 子宮頸がん / 予防ワクチン / リスクコントロール / Prochaskaによる変化ステージモデル / オンライン学習 / Moodle / オンライン質問紙 |
研究概要 |
主な3つの成果を以下に述べる。 A. 教育プログラムの作成: 研究の概念枠組はProchaskaらのtranstheoretical modelを応用した。研究参加者は、初回調査時点で子宮頸がんの予防ワクチンを接種することに対する「変化ステージ」で教育プログラムに振り分けられる。教育プログラムは (a) 変化ステージ別に作成された動画コンテンツ、 (b) Moodleにあるフォーラムを用いての意見交換、(c)最新情報メッセージの発信から構成された。評価方法はprimary outcomesとして、予防ワクチン接種と子宮頸がん検診の向上とした。Surrogate outcomes は子宮頸がんと予防ワクチン接種の知識獲得、移行したステージとした。 B. 信頼性と妥当性のあるオンライン質問紙の作成: 質問紙の開発は、看護学を専門とする大学教員8人がおこなった。再テスト法によるオンライン調査を2校の看護系大学の女子学生を対象に実施した。4年生214名のうち、研究参加者は初回調査では61人、第2回では34人(16%)であった。データ分析はSPSS ver. 19.0を使用し、回答の相関係数、Cronbach’s α、因子分析などを行った。特に、変化ステージの振り分けは「実質に一致している」とみなされる高いカッパ係数 (κ=.901) が確認された。最終的に調査時に使用する質問項目は、基本属性10項目、子宮頸がんへの社会的な関心10項目、子宮頸がんの知識13項目、意思決定バランス18項目、変化ステージ2項目、自己効力感23項目の計76項目とした。 C. Moodleによるホームページの設定: インターネットでの運営は、アテイン株式会社(東京)のサイトの仕組みを利用した。送信データはSSL(Secure Sockets Layer) 符号化して設定された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・予定通り定例会を開催して、研究の推進ができたことである。 ・再テスト法により信頼性と妥当性のあるオンライン質問紙が作成できたことである。 ・研究フィールドとなる北里大学看護学部、慶応義塾大学看護医療学部、聖路加看護大学の研究倫理委員会での承認をえられて、研究が順調に進んでいることである。 ・日本がん看護学会に予定された課題「子宮頸がんリスクコントロールに対するtranstheoretical Model(TTM)に基づくオンライン教育コンテンツの開発」として発表できたことである。
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今後の研究の推進方策 |
2013年4月より看護大学生を対象に子宮頸がんのリスクコントロールの変化ステージ別の介入研究を行うことである。オンライン教育のMoodleによるシステムも完了しており、試験運用できている。 研究参加者が初回ログイン後に正しいメールアドレスを登録し、メールアドレスに返信されたメッセージから確定するシステムにしている。再テスト法によるオンライン質問紙調査において、メールアドレスの確定をしなかった研究参加者が多数あった。介入研究では、オンライン画面上にも注意を促す内容を書きくわえている。学生への研究説明会でもメールアドレスの確定手順については、十分に説明する予定である。 学生のプライバシ保護のために個人を特定されないようにハンドルネームが使われる。電子掲示板での誹謗中傷となるメッセージは管理者による削除をおこなうことにしている。これもホームページ上に明記して注意を促している。
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