研究課題/領域番号 |
22390433
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
中野 綾美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (90172361)
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研究分担者 |
池添 志乃 高知県立大学, 看護学部, 教授 (20347652)
益守 かづき 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (20238918)
高谷 恭子 高知県立大学, 看護学部, 助教 (40508587)
首藤 ひとみ 高知県立大学, 看護学部, 助教 (50584348)
佐東 美緒 高知県立大学, 健康生活科学研究科, 研究員 (20364135)
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キーワード | 臓器移植 / 意思決定 / 家族 / 子ども / 看護介入 |
研究概要 |
本研究は、脳死による子どもの臓器移植に直面した家族が辿る苦悩に満ちた意思決定のプロセスを支える看護介入を開発し、ケアガイドラインを作成することを目的としている。研究目標I「脳死状態と診断を受けた子どもの家族の診断時から看取りまでの家族の体験を明らかにする」、目標III「脳死または心臓死により、子どもの臓器移植を体験した家族の診断から看取り、臓器移植後の体験を明らかにする」ために、既存の研究論文や手記を分析し、救命期11カテゴリー、脳死・看取り期17カテゴリー、死別期9カテゴリーの体験が抽出され、看護への示唆を得た。また、昨年度に引き続き、臓器移植や脳死、看取りに関するシンポジウムや学術集会などに参加をして情報収集をした。目標H「脳死状態と診断を受けた子どもの家族の診断時から看取りまでの家族の看護を実践した経験のある看護師の体験を明らかにする」については、看護師のインタビュー調査を実施した。現在、データ分析をしながら、データ収集を継続している。その中で、家族が置かれる子どもの救命期から救命限界期というターニングポイントを経て、看取りの意思決定をしていく家族の体験と、看護援助の実際や課題の手がかりを得ている。さらに、小児看護専門看護師や家族支援専門看護師、小児救急看護認定看護師とともに行った4回のブレインストーミングにより、脳死による子どもの臓器移植に直面した家族が子どもの最善を考慮した意思決定をすることを支える看護援助についての示唆を得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東日本大震災の時期に、関東地方等の病院施設への研究依頼を検討していたが、時期を遅らせることとした。また、可能な範囲で関東地区の専門職者とのブレインストーミングを遂行してきたが、実際に看護師の方々へのインタビュー時期が遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、目標IVのコーディネータの体験も明らかにし、研究者らが作成した家族看護エンパワーメントガイドライン、家族の合意形成を支えるケアガイドラインと統合して、目標V「脳死による子どもの臓器移植に直面した家族の意思決定を支援するガイドラインの開発を行う」予定である。
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