研究課題/領域番号 |
22390436
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
日沼 千尋 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (40248927)
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研究分担者 |
奥野 順子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (30307649)
関森 みゆき 東京女子医科大学, 看護学部, 准教授 (00313867)
服部 元史 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50192274)
青木 雅子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (00453415)
清水 美妃子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40338968)
近本 裕子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80307529)
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キーワード | 臓器移植 / 小児 / 自律 / 主体性 / 支援プログラム |
研究概要 |
本研究は我が国の臓器移植法改正による脳死の子どもからの臓器提供および臓器移植が開始される見通しのもと、平成22年度から4年計画で、臓器移植を受ける子どもの支援プログラムの開発とその普及を目的としている。1年目の22年度はこれまで臓器(献腎・脳死心臓)移植を受けた子どもとその家族への面接調査、および事例検討と海外視察を行い、支援の必要性とその内容を検討した。 23年度は22年度に作成したインタビューガイドに基づき、脳死心臓移植を海外で受けた本人5名と、その家族4名、国内で提供腎移植を受けた本人とその家族一組のインタビュー調査を行った。インタビュー内容は、移植を受けた経過と意思決定はどのように行われたか、移植を受けたことをどのように感じているか、移植の際に困難であったことや必要な支援、効果的であった支援などについて質問した。インタビューの後、逐語録を起こし、そのデータの分析方法についてデータを持ち寄り集団討議において繰り返し検討した。 また、医師、看護師、移植コーディネーターなど医療者へのインタビューも平行して開始し、現在も進行中である。医療者には移植を受ける子どもと家族、および子どもと家族を取り巻く教師や地域社会に対して医療者として実際に行った関わりと、その経験から今後どのような支援をしていきたいかに関して移植を受ける前、移植の意思決定の際、移植後のセルフケアの継続に関して長期的な発達を視野に入れて質問した。この質問項目に関しても、当事者達のインタビューの経験に基づき改訂を加えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究開始時の計画より、かなり進行が遅れ気味である。その理由としては、研究対象者である心臓移植を受けた患者および、腎臓移植を受けた親子のペアで研究に協力してもらう事から、対象者のリクルートが困難であった。 本研究の対象者の条件が、脳死心臓移植か、心臓死の提供腎による移植であるため対象者が限られている事が原因と考えられる。また、子どもの脳死臓器移植に関わっている医師、看護師、移植コーディネーターを対象としてのインタビュー調査も進行中であるが、やはり、対象者が極めて限定されているためリクルートが困難であった。 しかし、患者、家族、医療者ともに対象者数の一応の目標数に近づいていることから、データの分析の方法を洗練しつつ、分析の速度を上げることが必要である。 分析グループの役割分担、および分析会議の頻度などを検討し、分析のスピードを上げる。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は、①子ども時代に脳死臓器移植を受けた患者とその保護者を移植に纏わる体験を移植前と移植後に分けて分析する。分析グループを患者本人のグループと保護者のグループに分けて、質的に分析する。分析方法は、移植手術の必要性の認識の段階、移植手術という治療を選択し意志決定する段階、手術に向かって準備をする段階、術後の状況に適応し、移植手術を受け良い状態を維持するための療養行動の段階など、それぞれのステージにおける体験と、移植を受けた人という社会的体験などに着目して分析する。 ②移植医療に関わる医師、看護師、移植コーディネーターを対象としたインタビュー結果の分析をする。分析は、分析グループを各職種毎にわけ、それぞれの職種ごとに移植の前と後における患者への関わりについて分析する。その中でも、移植医療に当たって、それぞれの職種がどのような事を考え、目標として、患者と家族に対してどのような支援を行っているのかについて分析する。分析は、移植の前と移植後に分けて分析するがね移植前では、移植後の療養行動に大きく影響ょを与えると考えられる、移植を受けるという意志決定にに関する支援に着目して分析する。さらに分析結果を整理して、本研究の最終目標である支援プログラムの作成に繋げて行きたい。
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