研究課題/領域番号 |
22390436
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
日沼 千尋 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (40248927)
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研究分担者 |
関森 みゆき 東京女子医科大学, 看護学部, 准教授 (00313867)
青木 雅子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (00453415)
奥野 順子 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (30307649)
清水 美妃子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40338968)
服部 元史 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50192274)
石塚 喜世伸 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80596560)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 臓器移植 / 小児 / 自律 / 主体性 / 支援プログラム |
研究概要 |
この研究の長期的目標は、移植後のセルフケアの継続と移植を受けた子どもの自律的な生き方の獲得である。 本研究は、献腎移植および心臓移植を受けて成人したレシピエントと家族を対象に、臓器移植を経て成人するまでの体験、および移植から成人するまでの医療者の支援の現状とニーズを調査し、その結果と海外の経験等に学び、臓器移植を受ける子どもと家族が主体的に移植に関する意思決定をし、移植後も自律的に生活できるための支援を検討する。 24年度は、移植手術を受けた患者本人と家族の体験を明らかにする目的でインタビューデータの分析に取り組んだ。分析は、家族の体験と本人の体験に分けて行い、移植の意志決定も含め、移植を受ける前、渡航の経験、移植術後の社会生活などについて分析した。分析は、現在も進行中であり継続している。25年度は引き続き分析を進め、結果を明らかにする。 また、24年度は、移植医療に携わる医療者の患者へのケアの実際と課題、今後めざしたい方向性を明らかにする目的で、移植医療に取り組んでいる医師、看護師、移植コーディネーターに対してインタビューを行い、その分析に取り組んだ。医療者の関わりも移植の前と後に分けて分析中であり、移植前は移植を決断するまでの移植医療に関する理解と、心不全状態での待機中の関わり、移植後の入院中、外来通院中の関わりについて分析した。 これらの分析から見えてきた事は、移植医療に取り組む医療者は、患者が移植後に移植した臓器が良い状態を維持し、社会生活が充実して欲しいと願い、そのために、移植医療の良い面も大変な面も全て分かって欲しいと考え、術前も術後も丁寧に説明していた。この分析も現在進行中であり、分析を進めたうえで本年9月開催の日本小児保健学会で、発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
23年度の対象者のリクルートの遅れ、その後のデータ分析の遅れが影響して研究計画全体が遅れている。現在もデータ分析中である。今後、最終的ゴールに到達するよう、分析のスピードを上げる必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
25年度は移植を受けた患者と家族の体験の分析と、移植にかかわる医療者の関わりについてその意図と実施内容についての分析を9月まで終了する。 さらに結果を統合して本研究の最終目的である支援プログラムの作成に取り組む。支援プログラムの内容は、移植を受けるにあたって移植という治療を十分に理解して、患者が主体的に意志決定することを支援するプログラム、および移植後に良い状態を維持出来るためのセルフコントロールを支援するための外来指導や相談についての支援プログラムを検討する。なお、支援プログラムが完成した後には各移植施設に配布し利用を依頼し、修正を重ねた上で、公表をめざす。
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