研究課題/領域番号 |
22390437
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
酒井 郁子 千葉大学, 看護学研究科, 教授 (10197767)
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キーワード | 回復期リハビリテーション病棟 / 看護管理 / 専門職連携 / 理論化 |
研究概要 |
回復期リハビリテーション病棟看護チームをエンパワーする看護管理実践の理論化を行い、エキスパートパネルを3回開催して理論の修正を行った。結果、回復期リハビリテーション病棟における看護管理の構成要素として、(1)ケアチームのマネジメント、(2)リハチームのマネジメント、(3)患者のリハプロセスのマネジメントが見いだされた。(1)ケアチームのマネジメントでは、〈リハビリテーション看護の価値の教育〉<看護職と介護職の協働の推進><ケアチームリーダーの育成><ケアチームメンバーのリハケアのビジョンの確立と表現の支援><効果的なリハと経営的な貢献を両立させるベッド管理><回復切羽病棟の特徴に応じた継続教育><回復期リハ病棟の特徴に応じた人材活用><病棟内の倫理的課題の確認と発信>が下位概念として挙げられた。さらに回復期リハ病棟のケアチームをエンパワメントする看護管理者の実践行動として、(1)働く環境を作る、(2)ケア改善を促進する、二つの構成要素が挙げられ、(1)働く環境を作る、の内容として、<対話の場づくり><学習支援><資源調達><権利の擁護><個人的なサポート><リハ看護の価値の共有><一貫したリハ看護のビジョンの提示><改善阻害要因の排除>が見いだされた。また(2)ケア改善を促進する、の過程として<改善プロセスのスタートを切る><目標を定める><企画する><実行する><評価する>があり、それぞれの過程の具体的な内容を明らかにした。同様の分析を(2)リハチームのマネジメント、(3)患者のリハプロセスのマネジメントの構成要素でも実施し、看護管理者の管理実践行動の内容を明らかにした。 以上の分析から、回復期リハ病棟における看護管理の要素が明確となった。またエキスパートパネルを繰り返すことにより、経験的妥当性、看護管理の要素と理論モデルの網羅性、実践への適用可能性が確保され、全国実態調査の基盤が整った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理論化に時間を要したため、調査および普及の計画に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
全国調査の期間を短縮し、分析を急いで、普及段階に到達する。
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