回復期リハ病棟における看護管理実践モデルを検証するために看護管理実践モデルから得られた看護管理実践57項目を用いて、全国の回復期リハ病棟1173施設の1471病棟の看護師長で本調査に同意の得られた235人を対象に質問紙調査を行った。(回収率16.0%、有効回答数235、有効回答率100%)。確証的因子分析ではモデルと一致せず、探索的因子分析(主因子法)を行った。その結果因子負荷量0.3未満の項目を削除した結果、45項目9因子が抽出された。 これらの因子は、①回復期リハの成果を上げるための病棟チームメンバーの実践力の養成、②入院から退院までの患者のリハプロセスの管理、③ケアチームとしての機能するためのリーダーシップ・メンバーシップの醸成、④回復期リハ病棟のビジョンの浸透、⑤病棟リハチームとして成果をあげるためのチームづくり、⑥病棟リハチームの評価とメンテナンス、⑦チームメンバーの意見が反映されやすい仕組みづくり、⑧それぞれの職種の専門性を尊重した役割分担、⑨患者およびチームメンバーの権利の擁護であった。 看護チームをエンパワーする看護管理を臨床適用するため,ワークショップを開催した。ワークショップでは、これまでに得られた看護管理実践モデルについて、参加者10名へ説明するとともに、自己の看護管理実践の課題を明確化した。 2か月間webページを開設し、掲示板に回復期リハ病棟の看護管理者(研究参加者)の管理実践上のエンパワメント体験や困難状況を書きこみ、要請に応じて,研究者や他の参加者が返信するという、web上の共同創出型のコンサルテーションを実施した。ワークショップ,共同創出型コンサルテーションの技法を取り入れることにより、看護管理実践の臨床適用をサポートすることで、研究者と研究協力者(回復期リハ病棟看護管理者)が協働して理論化に取り組み、管理実践を促進し理論を洗練した。
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