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2011 年度 実績報告書

精神障害者のセルフケア能力を評価する尺度の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22390442
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

中山 洋子  福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (60180444)

研究分担者 宇佐美 しおり  熊本大学, その他の研究科, 教授 (50295755)
キーワード看護学 / セルフケア / 精神障害者 / 評価尺度
研究概要

本研究の目的は、精神障害者のセルフケア能力を評価するための方法を開発することである。昨年度は、Underwood博士自身が1980年代に米国で開発したSelf-care Assessment Toolの原本を日本語に翻訳して、現在の日本の医療状況、文化の違いを考慮しながら再検討し、アセスメントの質問項目や表現を変えて日本語のセルフケア・アセスメントツール(案)を作成した。今年度は、さらにそのセルフケア・アセスメントツール(案)を実践の場で実際に使い、使う際に問題となることやアセスメントする看護師に求められる能力等について検討することとした。
日本語のセルフケア・アセスメントツール(案)を臨床の精神科看護師25名に、実際にうつ病患者や統合失調症患者のケアに使ってもらい、フォーカスグループによって評価した。その結果、収集した情報-アセスメント-目標をどのようにつないでいくのか、患者のセルフケアをどのようにアセスメントするのか、患者のこれまでの出来事や状態悪化をどのように捉えていくのかなど、アセスメントしたことを実際のケアに生かしていく上での問題点を明らかにすることができた。また、セルフケアのアセスメントには、精神障害者本人の自己評価も必要であり、看護師用のセルフケア・アセスメントに対応する形の当事者の自己記入式の質問紙が必要になるが、今年度はそれについての検討が十分ではなく、平成24年度の課題として残すことになった。来年度に向けて、看護師の精神障害者のセルフケア能力を評価するアセスメントツールとその手引書の洗練とともに、精神障害者が自分自身のセルフケアを評価する自己記入式質問紙を並行して作成していく必要があることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成22年度、平成23年度で、看護師が行うためにセルフケア・アセスメントツールについては、Underwood博士の協力を得て、日本で活用できる形のものを作成することができた。しかし、それを実際にどのように使ってアセスメントし、看護ケアに生かすことができるかについては、研究協力をする臨床の看護師の教育訓練と能力の問題があり、その点で研究の進行に遅れが生じてしまった。作成したセルフケ・アアセスメントツールは、臨床の看護師が活用できなければ意味がないので、手引書の作成と臨床の看護師の協力しやすくする支援体制についてさらなる検討が必要になっている。

今後の研究の推進方策

本研究を進めていくに当てっては、ある程度の数の臨床看護師の協力が必要になるので、Orem-Underwood 理論についてのオリエンテーションがある看護師のいる臨床の場を追加して確保していく必要が出てきた。また、セルフケア・アセスメントツールを臨床の看護師に受け入れやすく、かつ使いやすくするためには、セルフケア・アセスメントの項目をさらに検討して、アセスメントに要する時間が短くなるように工夫するとともに、アセスメントツールを用いるにあたっての手引き書を充実させていく必要がある。

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公開日: 2014-07-24  

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