研究課題/領域番号 |
22390443
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
河野 あゆみ 大阪市立大学, 看護学研究科, 教授 (00313255)
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研究分担者 |
和泉 京子 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (80285329)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 高齢者 / 介護予防 / 予防訪問 / 地域看護 / 在宅看護 |
研究概要 |
在宅虚弱高齢者の活動性の低下に伴う健康問題に対応するためには高齢者の生活全般に関わる包括的な支援が必要である。本研究では、在宅虚弱高齢者の健康問題の悪化予防に対応できる学際的予防訪問プログラムの作成を行い、プログラムの標準化を図ることを目的としている。 本研究では平成23年10月より、平成22年度に作成した定型化された予防訪問マニュアルとシートにしたがって、3か月に1回予防訪問を提供している。 平成24年度は、平成23年後に開始した本無作為化比較対照試験について1年後の評価を行った。対象者は大阪府下3市町において、要支援と認定された在宅高齢者360名を介入群の高齢者179名と対照群の高齢者181名に割り付けている。評価は、身体心理社会的機能を評価する指標として、基本的日常生活動作、手段的日常生活動作、記憶力への自己評価、健康管理への自信感、生活満足度、抑うつを挙げ、郵送による自記式質問紙調査を実施した。また、1年間の各市町の高齢保健福祉担当部門で把握している対象者の介護給付費利用状況について、データ収集を行った。その結果、1年間の予防訪問提供では、身体心理社会的機能については統計的に有意な効果はみられなかった。しかし、訪問群の対象者では基本的日常生活動作の悪化、外出頻度の低下、転倒の発生を予防する可能性が示された。介護給付費利用状況については、両群とも微増傾向にあったが、訪問群の高齢者では通所リハビリや福祉用具貸与の利用が増え、対照群の高齢者では通所介護の利用がやや増えていた。平成25年度は引き続き本介入を行った後、2年後の評価を行うことを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初に予定したタイムスケジュールに沿って、予防訪問の効果を検証するための無作為化比較対照試験は順調に進んでいる。また、1年後評価も順調に実施できたことから、上記区分のとおり、達成度を評価する。
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今後の研究の推進方策 |
今後も順調に無作為化比較対照を遂行するために研究フィールドとなっている各自治体担当課や地域包括支援センターと良好なコミュニケーションを図ることが必要である。介入期間が2年間と長期にわたるため、特に介入進捗状況やデータ管理を綿密に行うことが、研究推進のための重要な配慮事項となる。
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