研究課題/領域番号 |
22390446
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研究機関 | 聖路加看護大学 |
研究代表者 |
亀井 智子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (80238443)
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研究分担者 |
山本 由子 聖路加看護大学, 看護学部, 助教 (00550766)
中山 優季 東京都医学総合研究所, 運動感覚システム研究分野, 主任研究員 (00455396)
亀井 延明 明星大学, 理工学部, 教授 (20233968)
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キーワード | テレナーシング / 在宅呼吸ケア / 慢性呼吸不全 / 呼吸リハビリテーション / ガイドライン |
研究概要 |
本研究の目的は、(1)慢性呼吸不全で在宅療養を行う者を対象に、テレナーシング通信ネット端末を開発し、長期安定療養に資するテレナーシング実践システムを構築すること、(2)(1)を慢性呼吸不全在宅療養者に長期に導入し、心身への効果、自己管理意識の変化、再入院を要する呼吸不全急性増悪の予防効果、医療経済効果の観点から長期テレナーシングの効果を検証すること、(3)エビデンスに基づくガイドラインを創生することである。 本年度は、(1)前年度までに開発した通信ネット端末(生き息きHOT和み)を利用し、サーバでのデータ解析・保存方法の一部改修、および対象者個別のトリガーを設定する機能等、管理者用サイトの改修を行った。(2)慢性閉塞性肺疾患(COPD)で在宅酸素療法を受ける者40名を介入群20名(平均年齢76.0歳)、対照群20名(77.7歳)に無作為に割りつけ、介入群には毎日、本システムによるテレナーシングを提供し、対照群は従来の診療のみとするランダム化比較試験を継続した。その結果、介入群は急性増悪発症者が有意に少なく、在宅モニタリングに基づくテレナーシングは急性増悪発症予防、および発症回数を低下させる可能性があること、費用対効果が高いことが示唆された。(3)国内外の文献データベースを用い、在宅モニタリングに基づくCOPD患者へのテレナーシングの効果に関するシステマテイックレビューとメタ分析を行った。その結果、COPD患者へのテレナーシングには、入院の予防、救急受診リスクの減少、急性増悪発症リスクの減少、在院日数の減少、健康関連QOL(Quality of Life)への良い効果が示唆された。これをもとに、専門職用のテレナーシングガイドライン、および在宅療養者のためのテレナーシング実践ガイドの両者を1冊にまとめたガイドライン冊子を刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、テレナーシングの継続的な実践、介入研究の継続、文献のシステマテイックレビューとメタ分析の実施、学会発表、学会誌への論文投稿、専門職用ガイドラインの発刊、在宅療養者用ケアガイドの発刊を行うことができ、これらは計画の通りに進行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
作成したテレナーシングガイドラインのエキスパートチェック(査読)を受けている途中であるため、その結果を取りまとめ、「テレナーシング実践ガイドライン2012-2013」および「在宅療養者のためのケアガイド2012-2013」を発刊する。 また、テレナーシングガイドライン、およびテレナーシング実践の普及のための専門職向け研修会を開催し、内容を評価する計画である。
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