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2010 年度 実績報告書

地域間競争下のEU都市観光化へのエスニック集団の対応-アジア系外国人の適応と戦略

研究課題

研究課題/領域番号 22401004
応募区分海外学術
研究機関東京学芸大学

研究代表者

加賀美 雅弘  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60185709)

研究分担者 山下 清海  筑波大学, 生命環境科学研究科, 教授 (00166662)
大島 規江  国際教養大学, 国際教養学部, 助教 (90420661)
キーワード都市観光 / エスニックタウン / エスニックビジネス / エスニック景観 / EU / ウィーン / ブダペスト / 中央ヨーロッパ
研究概要

EU域内における都市の観光地化と,増加傾向をたどるアジア出身の外国人居住者(以下,アジア系外国人)との関係を明らかにするために,ウィーン,ブダペストなど中央ヨーロッパの都市を事例とした調査を行った。当該年度の成果をまとめると,以下の4点になる。
1.中央ヨーロッパの都市には伝統的な都市観光発達の経緯があり,都市の歴史や文化などが観光客にとって魅力であり続けている。観光客は増加の一途をたどっており,観光スポットや観光客の行動空間も増加・拡大の傾向にある。
2.一方,近年では,アジア系外国人が経営する商店やレストランなども観光の対象になりつつある。たとえばウィーンでは,これまで観光客にとって関心の対象ではなかった中国人居住地区での買い物や飲食が,彼らの興味の対象になり,中国人居住地区には観光地としての賑わいがみられるようになった。
3.本研究では,アジア系外国人として東アジア・東南アジア・南アジア出身者を対象とするが,ウィーンおよびブダペストでは中国人が最も多く,ついでインド,ベトナム,タイ出身者が多くを占めている。なかでも中国人は,飲食店,商店,卸売など商業,サービス業に従事している。
4.飲食店や商店では食文化や伝統文化などが提供されており,漢字など彼ら固有の言語と文字が店の内外に表示され,ファサードには伝統建築をあしらったデザインが施されるなど,固有のエスニック景観が生み出されている。都市内部におけるこうした独特の景観も,アジア系外国人が都市観光と結びつく重要な要因になるものと考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 福建省福清出身の在日新華僑とその僑郷2011

    • 著者名/発表者名
      山下清海
    • 雑誌名

      地理空間(地理空間学会)

      巻: 3巻1号 ページ: 1-23

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アメリカ合衆国ハイプレーンズを事例としたエスニック地誌の方法2011

    • 著者名/発表者名
      矢ヶ崎典隆
    • 雑誌名

      東京学芸大学紀要人文社会科学系II

      巻: 62集 ページ: 63-77

  • [雑誌論文] 都市再生事業による外国人集住地区の変容-ウィーン・ブルネン地区の事例2010

    • 著者名/発表者名
      山本葉月, 加賀美雅弘
    • 雑誌名

      学芸地理(東京学芸大学地理学会)

      巻: 65号 ページ: 11-34

    • 査読あり
  • [学会発表] 歴史軸を盛り込んだヨーロッパ地誌の試み-中心・周辺構造に着目した考察2010

    • 著者名/発表者名
      加賀美雅弘
    • 学会等名
      日本地理教育学会
    • 発表場所
      山梨大学(山梨県)
    • 年月日
      2010-08-20
  • [図書] 現代のエスニック社会を探る-理論からフィールドへ2011

    • 著者名/発表者名
      山下清海編
    • 総ページ数
      213
    • 出版者
      学文社

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公開日: 2013-06-26  

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