研究課題/領域番号 |
22401015
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
竹下 夏美 京都橘大学, 看護学部, 准教授 (60352465)
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研究分担者 |
松岡 悦子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (10183948)
下敷領 須美子 鹿児島大学, 医学部, 准教授 (10315418)
嶋澤 恭子 神戸市看護大学, 看護学部, 講師 (90381920)
幅崎 麻紀子 山形大学, 男女共同参画推進室, 助教 (00401430)
佐山 理絵 東邦大学, 医学部, 助教 (40459821)
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キーワード | リプロダクティブヘルス / ジェンダー / ピアカウンセリング / 性感染症 / アジア |
研究概要 |
本研究の目的は、アジア各国で現地の研究協力者と協働しながら以下の1~3の項目に関連した調査を行い比較研究し、性感染症およびHIV/AIDS感染予防のために必要な対策について考察する。1.ジェンダーに関する参加型社会調査の分析枠組みを用いて、性行動と生殖活動における男女間の力関係を分析する。2.アジア各国で増加傾向にあるHIV/AIDSに関連して、性感染症やHIV/AIDSやDVや生殖や性行動に関する質問紙を各国の言語に翻訳し用い、都市部と村落部における性や性行動に対する考え方および性感染症やHIV/AIDSに関する知識の程度および性と生殖に対する考え方について、実態調査を行う。3.学校、家庭あるいは地域における性教育の実態調査を行う。メンバー会議の結果、アジア各地で質問紙を用いたアンケート調査は内容を相当に絞らないと難しいのではないかという意見が出され平成22年度は実施できず、インタビュー調査が主となった。松岡が韓国においてアハ青少年性文化センター長に韓国の青少年の間で性に関して問題になっていることについてインタビューを実施した。また性文化センターを案内してもらい、韓国の性教育のあり方を観察した。また梨花女子大学の韓国性暴力救援センターを立ち上げたイ・ミョンソン氏韓国の性暴力、セクハラの状況についてインタビューを実施した。 平成23年(平成22年度はタイの国勢が安定しておらず調査できなかったため)に佐山がタイの高校で教員と校長にインタビュー調査を行った。その結果、タイにおける大きなトピックHIV/AIDSであるにもかかわらず、感染拡大が顕著だった1990年代から2000年代初頭から10年程過ぎた現在、高校でのHIV/AIDSに関する健康教育はほとんどされていないことが明らかになった。調査地は感染者の確率が最も高い北部の県であったがそこでも高校ではHIVや性に関する積極的な教育はほとんどなされていないことが明らかになった。平成23年(平成22年度はネパール側の都合により調査できなかったため)に幅崎はネパールにおいて調査を実施し、性教育が1990年代後半から、重要課題として認識されるに至っていること、そのため、思春期の性教育プログラムをNPOが中心となって実施している点等が明らかになった。80年代~90年代にかけての成人女性への教育、90年代後半からの思春期教育に、ターゲットが変化している。但し、「学校教育の中で」で実施されているわけではないことが明らかになった。竹下は、次年度以降実施予定のピアカウンセリングに関して実現可能か、時期、内容、協力者、許可申請のプロセス等に関する打ち合わせ会議および情報収集、資料収集等をインドネシア西カリマンタン州ポンティアナクおよびジャカルタで行った。STDやHIVに関連したNGO団体の代表者6名およびWisma Sirih代表との会議を行った。また保健省や教育省を訪問し、協力依頼を行った。その際にアドバイスも受けた。
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