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2012 年度 実績報告書

宋代官窯青磁の系譜

研究課題

研究課題/領域番号 22401022
応募区分海外学術
研究機関公益財団法人大阪市博物館協会

研究代表者

伊藤 郁太郎  公益財団法人大阪市博物館協会, 大阪市立東洋陶磁美術館, 名誉館長 (40373518)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワード宋代青磁 / 官窯青磁 / 張公巷窯 / 北宋官窯 / 南宋官窯 / 南宋越窯 / 汝窯 / 汝州東溝窯
研究概要

本研究の眼目の一つが、北宋代官窯青磁の実態解明にあった。それは具体的に言えば、2000年に河南省汝州市で発見された汝州張公巷窯が、文献に記載された「北宋官窯」に比定し得るか否かの論議に集約される。発表当時は中国の陶磁研究者の多くは、張公巷窯が官窯であること、活動年代が北宋末であることについて一定の共通認識に達していた。しかしその後、汝州市内の発掘調査が一向に進展しないまま十数年を経過し、制作年代についての確実な資料が未だに発見されていない状況で、その間、年代観にも変化が現れた。即ち河南省汝州市の東溝窯の発掘成果により、東溝窯が金代の窯であり、張公巷窯の製品に東溝窯と類似したものがあるとするなど、張公巷窯=金代説が次第に拡がりつつある。
その中で本研究グループは、汝州張公巷窯=北宋末活動説が決して全面的に否定できないことを、同時期の高麗青磁との比較など幾つかの根據を示しながら今日に至っている。平成24年度には、汝州張公巷窯の再調査が12年振りに実施された。その結果の全貌は発表されていないが、平成25年度に確認調査の予定である。
汝州張公巷窯に関する調査の状況は以上であるが、その間、杭州市内の南宋官窯(修内司窯、郊壇下窯)、官窯に擬せられる北宋汝窯、南宋越窯、南宋龍泉窯等について正式報告書が未刊のものもあるが、次第に実態が明らかにされつつある。更に中国の生産地の状況とともに宋代官窯の伝世品についての再検証、同時代の高麗青磁との関連調査も合わせると、不十分とはいえ宋代官窯青磁の実像に迫りつつある段階にあると言えよう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究課題のうち、大きな注目点であった河南省汝州市・汝州張公巷窯が平成24年度に約12年振りに再発掘調査が実施された。その詳細は未だ発表されていないが、特に窯の活動年代を明らかにする資料が発見されるかどうかが関心をもたれる。若し発見されていたら長年の論争、即ち北宋末か金代かについて結着がつき、本研究の一部が完結することになる。他の宋代官窯青磁についての調査は、比較的順調に資料整備を整えつつある。

今後の研究の推進方策

1)宋金代河南省青磁窯址と浙江省南宋官窯、南宋越窯、龍泉窯出土資料の比較検討。
2)宋金代および元明代の伝世品の比較検討。
上記を通じて、本研究の主要目的である宋代官窯青磁の全体像の把握に努める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 宣和奉使高麗図経における翡色青磁の実像2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤 郁太郎
    • 雑誌名

      陶説

      巻: 720 ページ: 50頁~56頁

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公開日: 2014-07-24  

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