研究課題/領域番号 |
22401023
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
島田 文雄 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (90187435)
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キーワード | 陶磁描画法 / だみ技法 / 墨はじき / 染付け / 釉下彩 / 還元焼成 / 景徳鎮磁器 / 描画法 |
研究概要 |
醴陵、景徳鎮、有田の釉下彩調査を行い、日本、中国で現在使用されている釉下彩絵具の収集、技法調査、各種色見本の作成、技法道具の収集、またその歴史的変遷調査を行った。 1)現地の陶磁研究所に収蔵されている文献および作品を調査して技法解明を試みた。だみ技法は明時代の景徳鎮の染付技法が江戸初期に有田に伝わりだみ技法が発展したと推測される。墨はじきに関しては日本の染色技法、友禅染めを陶磁技法に取り入れたとする説があり、調査中であるが防染技法が陶磁器に応用されたことは十分に考えられる事が判明した。 2)有田の墨はじき技法は由緒ある伝統技法を継承している工房では墨による墨はじきを行っているが、量産を主とする工房では現代の化学物質である搬水剤を使用しより強度な墨はじきに変化していた。景徳鎮では釉下彩染付顔料であるコバルト顔料を収集し色味作成を実施した。実際に陶板に染付で描画し、だみ技法を実習し、その技法習得を試みた。醴陵の釉下彩研究は実際の墨はじきを実習だみ技法の向上を目指した。中国のだみ筆は日本と原理は同じであるが穂先の顔料の含みに違いがあることから、描画訓練熟達が必要である。線描筆は大変快適に描ける筆であった。また景徳鎮と醴陵の専門家を日本に招聘しだみと墨はじきの実習と講習を開催した。墨をする時、桐油を一滴入れて擦るとより効果がある墨はじき得られた。これらの講習内容はホームページ作成資料とする。 3)顔料の色見本作成、化学分析を実施した。中国顔料とアメリカ、アマコ社顔料の色調合と焼成を実施し色見本を作成した。結果粒子の細かさが発色の善し悪しに大きく作用することが判明した。 4)ホームページ作成用の資料収集と焼成試験を行った。また4回に及ぶ釉下彩実習講義を行い、釉下彩の広報活動と発色効果の検証を試みホームページ資料とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究協力者によって中国での景徳鎮、醴陵の陶磁工房実習、原料調達など、中国清華大学の教授からの手配によって研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
研究を進めていくと、西洋顔料が日本、中国に伝わって発展したのではないかと言う疑問が生まれてきた。そこで今後の発展研究として西洋の釉下彩の歴史研究も必要になってくるのではないかと予測される。また近代窯業に貢献したドイツ人のワグネル博士の功績と実績調査、板谷波山の釉下彩顔料研究にも手を付けたい。 また、研究内容をホームページで公開することを目指す。
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