研究課題/領域番号 |
22401026
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
柘植 洋一 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (50092276)
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研究分担者 |
乾 秀行 山口大学, 人文学部, 准教授 (10241754)
小脇 光男 熊本大学, 国際化推進センター, 教授 (30136030)
池田 潤 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (60288850)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | エチオピアの諸言語 / クシ系・オモ系諸語 / ナイル・サハラ諸語 / GIS / 少数言語 / 文字化 / 言語動態 / 国際研究者交流(エチオピア) |
研究概要 |
1.エチオピアでの言語調査による言語データの収集ならびに言語動態についての調査:(1)代表者,分担者,研究協力者(日本及びエチオピアの研究者)により,バスケト語,アッレ語,ディメ語,ニャンガトム語,アムハラ語,マスカン語,ドビ語といった系統も異なる諸言語についての基礎的なデータの収集,ならびに言語学的な分析を進めることが出来た。これらは今後の研究の重要な基礎を提供するものである。特にアッレ語やコウェグ語はこれまでのデータの蓄積が少ないものであり,貴重なデータとなるものである。またエチオピアにおいて,エチオピア側研究者と知見の交換を行うとともに,今後の共同研究の更なる実質化に向けての議論を深めた。(2)動態状況に関しては,引き続き文字化の様相に焦点を当て,バスケト語,アリ語についてその状況の調査,資料の提示,分析を行い,その実態の解明を進めた。またバスケト語について『母語話者のためのバスケト語教材』を作成したが,これは研究成果を当該言語話者に還元する意味も持つものである。 2.GISサーバーの改良とデータベース構築:サーバーを改良するとともに,内容面での充実を図るため,本研究によって得られた各言語のデータおよび既発表データの取り組みを引き続き行った。また,このシステムを活用することで様々な言語特徴の相関についても容易に検索が行えることを広くアピールするために学会発表を行った。研究成果を広く他の研究者が利用できる体制の基盤がこれで大きく整ったと言える。 3.エチオピア諸言語の手引きの作成:昨年に引き続き『アムハラ語入門』改訂増補版作成のための作業を進めた。また,バスケト語の手引き作成に向けての検討を更に進めた。 4.電子ジャーナル第2号の発刊:成果をまとめ,昨年度新たに電子ジャーナルとして刊行を開始したStudies in Ethiopian Languagesの第2号を発刊した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(理由)データ収集ならびにデータベース構築およびGISサーバーの改良は順調に進んでいる。特にバスケト語およびアリ語についてはかなりの蓄積を行うことが出来ている。またナイル・サハラ系の言語についても進展を見ている。データの分析については十分とは言えないものの,一定の成果を得ている。GISサーバーの構築ならびにデータ取り込みもおおむね順調に進んでおり,世界中の研究者からのアクセスもみられるようになった。言語動態の解明については文字化の様相以外にはまだ余り進展がない状態である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度が最終年度になるので,まずは,これまで現地調査で得られた言語データ,文献データのまとめをエチオピア人研究者の協力も得ながら進めて行く。第2にはそのデータをデータベース化し,GISシステムの中に取り込む作業を行う。第3には分析を更に進めて言語事象の解明につとめる。第4には言語動態の面で中心的なテーマとして取り組んできた文字化の問題についてのまとめを行う。第5としてエチオピアの諸言語の入門的な手引きの作成を完成させる。
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