研究課題/領域番号 |
22401030
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
SAVELIEV IGOR 名古屋大学, 国際開発研究科, 准教授 (60313491)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 日本人移民 |
研究概要 |
平成24年度には、4回にわたって、日本外務省の日本外交史料館において19世紀末~20世紀前半のカナダ、米国における日本人移民問題に関する史料を調べ、必要な史料をデジタルカメラで撮影し、データをノート型パソコンによって保存し、整理した。 さらに、2013年1月3日~12日に、イギリスの国立公文書館(National Archives in Kew Gardens)において19世紀末~20世紀前半の日英加米の外交交渉における日本人移民問題に関する史料、特にイギリス外務省の報告書などを調べ、適当な史料をデジタルカメラで撮影し、データをノート型パソコンによって保存して、整理した。 また、2013年2月1日に、韓国から聖公会大学校教授のシン・ヒョンジュン先生を、京都から立命館大学准教授河原典史先生をゲスト・スピーカーとして招いて、名古屋大学国際開発研究科において、国際シンポジウム「越境空間、多文化空間―東アジア移民の歴史と新しい動向―」を開催し、ゲストを含め5名の参加者の発表、質疑及び総括ディスカッションを行った。本シンポジウムの第一セクションは、「移民コミュニティとホスト社会:19世紀末~20世紀初めのカナダ西部における日本人・中国人移民」をテーマにしており、カナダにおける日本人・中国人移民についての報告と質疑が行われた。そのうち、22~24年度の調査で得られたデータに基づいて、研究代表者サヴェリエフ・イゴリが「多文化都市バンクーバーとウラジオストクの都市空間づくりと東アジア系移民―比較の視点から―」というテーマで報告を行った。本シンポジウムは、学内外から47名の研究者、大学院生などが参加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでは、計画通り、日本外務省の日本外交史料館、カナダの国立公文書館(National Archives)、ブリティッシュ・コランビア州立公文書館(ヴィクトリア市)、ブリティッシュ・コランビア大学図書館特別コレクション(バンクーバー市)、トロント大学トマス・フィシャー特別・コレクション(トロント市)、イギリスの国立公文書館(National Archives in Kew Gardens)において19世紀末~20世紀前半のカナダ、米国における日本人移民問題に関する史料を調べ、必要な史料をデジタルカメラで撮影し、データをノート型パソコンによって保存し、整理した。その調査で収集した史料や25・26年度に収集する予定の史料の分析に基づいて、本研究課題の当初研究目的である「イギリスの自治領であったカナダの国家アイデンティティ形成、特に英米日との外交における日本人移民の位置づけ」に新しい光を当てること出来るではないかと考える。 また、すでに、所属している名古屋大学国際開発研究科において、海外からゲスト・スピカーを招いて、22年度に国際ワークショップ「東アジア系移民コミュニティ―歴史と現在―」を、24年度に国際シンポジウム「越境空間、多文化空間―東アジア移民の歴史と新しい動向―」を開催し、ゲスト・スピカーと他の研究者の研究成果や、自らの研究成果を発表し、学内外の研究者や大学院生の参加できる移民問題についてのディスカッションを行い、本研究の研究成果の公開がある程度できたではないかと考える。
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今後の研究の推進方策 |
1)前年度に収集した史料の分析を続き、2013年~2014年に、日本外交史料館、国会図書館の憲政資料室などでは、史料の調査を実施する。 2) 2013年8月下旬~9月中旬、イギリスの国立公文書館(National Archives in Kew Gardens)において、引き続き、FO115-1475、CO42-918-924、CO335-23などの外交史料などを調査し、2014年に米国のワシントンのLibrary of Congressのコレクションなどにおいて、日本人移民に関する資料を調査する。 3) 2014年3月27~30日、フィラデルフィア市に開催されるアジア研究学会年次大会には、1907年末~1908年初頭の日英米交渉における北米への日本人移民問題(仮名)というテーマで報告の計画を申請して、採用されたら、アジア研究学会年次大会において研究成果発表を行う。さらに、2014年の日本アジア研究学会(ASCJ)などの報告の計画を申請し、研究成果の発表を行う。 4)2014年に、収集した史料の整理を行い、学術論文を執筆し、歴史学の学術雑誌へ投稿する。
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