本研究では、日本、イギリス、カナダと米国の公文書館などにおいて収集した史料に基づいて、1)1907年の日英関係変容の文脈でブリティッシュ・コロンビアへの日本人移民制限をめぐる交渉のそれぞれのアクター(BC州政府、カナダ政府、イギリスの植民地省と外務省、日本政府)の役割を再検討し、2)日本人移民問題のBC州及び自治領カナダの地域アイデンティティ形成への影響を検討し、3)カナダ特使ルミューの日本への派遣をめぐる日本外務省、カナダ政府と大英植民地省と外務省の交渉過程を問い直し、ルミュー特使の派遣の意義を再検討し、4)1907~8年の日本人移民制限をめぐる日加英米外交交渉の交渉過程を再検討した。
|