研究課題
本年度は、研究計画に沿って、南インド、北インド、ネパールでの現地調査を実施した。その成果・知見は以下のとおりである。南インドでは、カルナータカ州マイソール県フンスール郡内において、ここ50年間に森林減退が見られた地域内の集落(約50ヶ村)を対象として、開村以降の歴史(古老を中心とした生活史インタビュー)について調査した。その結果、住民による自発的開墾と州政府による社会政策の結果として森林減退が生じたことが明らかになった。また、同州とタミル・ナードゥ州の州境地域において、ターマリック生産地の拡大と森林管理との関係について調査を実施した。北インドでは、シャリスカトラ保護区(ラジャスタン州)の集落において植林事業と共同森林経営の関係についてヒアリング調査を実施した(予備調査)。ネパールでは、山岳地域(ラスワ郡シャブル村)において、幹線道路建設や中国人との共存との圧力がある中にあって、コミュニティフォレストの位置づけを検討した。また、ネパール政府観光局のプロジェクトやJICAプロジェクト(「地方行政強化を通じた流域向上プロジェクト(PWMLGP)」)との連携も行った。これらの調査は、次年度の本調査に向けての予備調査としての位置づけにある。今年度は、研究の枠組みや方法論について、国際会議への参加やワークショップの開催などに心がけた。また、ルーマニアでの国際会議では、東ヨーロッパにおいてみられる森林荒廃と森林管理に関する試みについて、南アジアの経験を踏まえて、意見交換を行った。
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