研究課題/領域番号 |
22401042
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
石田 慎一郎 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (10506306)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 社会人類学 / 法社会学 / ケニア / 都市 / 性産業 / 国際研究者交流 / 国際情報交換 |
研究概要 |
石田慎一郎は、イゲンベ地方の農村における紛争処理に関する民族誌データを収集した。また、調査村45世帯の最新の世帯状況調査を実施し、日常的な生活規範について基礎資料を収集した。連携研究者の松園万亀雄は、イゲンベ地方の農村に滞在して、伝統的な社会組織・社会制度(ギチアロ関係)が紛争回避と紛争処理に果たす役割について聞き取り調査をおこなった。また、女性が中心となって運営する互助組織について聞き取り調査を実施し、日常的な生活規範について聞き取り調査をおこなった。連携研究者の久保山力也は、モンバサ市等において買売春の実態と紛争処理に関するヒアリング調査をおこなった。Prostitutionに従事している女性を対象に、ムトゥワパにて22サンプル、マリンディにて2サンプルを採取した。ムトゥワパにて一般男性に対する調査票調査ならびに一般女性に対する調査票調査を実施した。前者は200超、後者は100超のサンプルを採取した。研究協力者の馬場淳は、ティガニア地方ミキンドゥリ周辺に滞在し、紛争処理の実態に関する資料を収集した。ティガニア地方裁判所および児童局では、非公式の紛争処理に関する資料を得た。石田・久保山・馬場は、研究成果を国際学会で発表した。石田・松園・馬場は、8月29日に、地元研究者と研究打ち合わせをおこなった。 平成25年度に、平成24年度直接経費の一部を繰り越して執行し、以下の研究実績を得た。石田と久保山は、平成26年1月25日に、基盤研究(S)「アフリカの潜在力を活用した紛争解決と共生の実現に関する総合的地域研究」の第14回全体会議「アフリカにおける法の補助線:法学・人類学の視点から」で研究成果を発表した。久保山は、8月にケニア各地の都市で女性を対象にヒアリング調査を実施した。キスムにて4サンプル、ナクルにて7サンプル、ムトゥワパにて29サンプル、ナイロビにて1サンプルを採取した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ケニアにおける政情不安等により当初の計画を変更せざるを得ない部分もあったが、研究成果のとりまとめに必要なデータを十分に得ることができており、かつ研究発表を中心に研究成果のとりまとめにむけた作業も順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年5月に研究報告論集Culture in Peace and Conflict Resolution Within Communities of Central Kenyaをケニア国立博物館刊行物として出版し、ケニア国内の研究教育機関、図書館、公共団体などに無料配布する予定である。久保山は平成26年7月に開催される世界社会学会議横浜大会において組織するパネル「売春と法」で得られる知見をふまえて、研究成果のとりまとめをおこなう。今後の推進方策において問題点はとくにない。
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