石田慎一郎(研究代表者)は、8月に国際人類学民族科学連合2013年研究大会(マンチェスター大学)で研究発表をおこなった。ケニア到着後は、ケニア国立博物館ならびにケニア政府の調査許可発行部局に対して研究成果のとりまとめにむけた中間報告をおこなった。調査地のイゲンベ・サウス県では20日間のフィールドワークを実施し、2013年6月にアゼロガイティ村内でおこなわれた殺人賠償の支払いについて聞き取り調査を実施した。 松園万亀雄(連携研究者)は、8月から9月にかけてイゲンベ・サウス県で20日間のフィールドワークをおこなった。とくに(1)伝統的な社会組織・社会制度(イシアロ関係)が紛争回避と紛争処理に果たす役割について聞き取り調査をおこなった。(2)当事者に同行してイシアロ関係にある者同士のあいだの紛争処理の現場を観察した。 馬場淳(研究協力者)は、イースタン州東・西ティガニア県にて、公式的および非公式的紛争処理の実態に関する人類学的調査を実施した。とくに東ティガニア県のミキンドゥリ周辺村落にて聞き取り調査を実施し、紛争処理の実態に関する資料を収集した。 8月31日にメル町でワークショップを開催した。研究代表者・連携研究者・研究協力者(日本側、ケニア側)が出席し、成果公開にむけた打ち合わせをおこなった。また、研究代表者ならびにケニア側研究協力者全員は、1月3日と4日にメル・カウンティ・ホテル会議室にで成果論集の出版にむけたワークショップを開催し、各執筆論文の編集作業を実施した。論集は、Culture in peace and conflict resolution within communities of Central Kenyaと題し、全13編の論文とケニア国立博物館館長Dr Idle Omar Farahの序文を所収する。2014年4月に刊行し、300部をケニア国内で無料配布する。
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