◎本年度(2013年)は、ペルー真実和解委員会の最終報告書提出10周年にあたった。このため、ペルー真実和解委員会及び平和構築の評価、進捗状況、記憶化について国際シンポジウム、記念行事等で資料収集をするとともに、研究者及びNGOや政府関係者との意見交換をおこなった。 なかでも、移行期正義(transitional justice)の分野で国際的に主導的役割を果たしている国際移行期センター(ICTJ)と、ペルー真実和解委員会の委員であった故デグレゴリ博士が所長を務めていたペルー研究所(IEP)が共催した国際シンポジウムは重要であった。シンポジウムにはICTJの創立メンバーであるフアン・メンデス博士をはじめとする国内外の研究者、もと真実和解委員会委員等が参加した。この他、紛争の被害が最も深刻であったアヤクチョ県で、行方不明者の家族の会がオンブズマン事務所長、人権NGOの代表者等を招き国際会議及びメモリアル式典を開催した。さらに全米ラテンアメリカ学会(LASA)でもいくつかパネルが企画された。 ◎これまでおこなってきた、アヤクチョ県の国内避難民が形成したバリオ(居住区)の歴史に関する補足調査を実施した。国内避難民の土地取得プロセスに関して、支援にあたった弁護士から重要な証言を得るとともに、住民リーダーから貴重なドキュメントを入手した。インタビューの翻訳分析、資料の分析を進め、これらをもとに英文論文を執筆中である。 ◎American Ethnological SocietyとAmerican Anthropological Association の年次大会で研究成果の発表をおこなった。 また、The International Union of Anthropology and Ethnology Sciences のInter-Congressでパネル代表と発表をした。
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