研究課題/領域番号 |
22402003
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
振津 かつみ 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (10418965)
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キーワード | 劣化ウラン兵器 / 健康影響 / 環境影響 / 軍縮 / 予防原則 |
研究概要 |
〓 現地調査: ・イラクの汚染地域の健康影響調査:ドイツのグライフスバルト大学のProf.Hoffmannらの主催する疫学セミナーに振津が参加。同セミナーに参加したイラクのバスラの医師らから、癌登録制度の現状、疫学調査の進行状況などについての報告を受け、今後の課題などについて議論をした。(10月) ・福島第一原発事故による慢性被曝状況との比較:4月以降毎月、振津が福島の放射能汚染地域(福島市、飯舘村、郡山市、いわき市など)を訪問し、住民への聞き取り、環境汚染調査(空間線量測定、土壌や水のサンプルを採取して持ち帰り、京大原子炉実験所にて放射性核種の分析・定量)、現地の医師らとの意見交換などを行った。 ・チェルノブイリ原発事故による慢性被曝状況との比較のため:ベラルーシ共和国の放射能汚染地域(モギレフ州クラスノポーリエ、チェリコフなど)を訪問し、被災地住民の聞き取りを行った。また、高汚染地からミンスクに避難している移住者にも聞き取りを行った。(12月) 〓 文献調査 ・劣化ウランの環境・医学に関する科学的文献について、最新のものまでリストアップし、レビュー資料を作成した。さらに、ウランの「遺伝毒性物質」の側面に焦点をあてて、文献を追加し、整理しつつある。 ・予防原則に関する資料や文献をリストアップし、劣化ウラン兵器の国際的禁止の観点から、予防原則の意義について、研究協力者Prof.Mohrとともに検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年3月、東日本大震災に伴って起こった福島第一原発事故による放射能汚染という新たな慢性被曝状況の事態をふまえ、平成23年度からは、これら原発事故による慢性被曝状況と劣化ウランによる被曝との比較検討の課題を追加した。そのため、振津の時間的制約から、年度当初に予定していた欧米の劣化ウラン被曝兵士等の聞き取り調査等を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
欧米の劣化ウラン被曝兵士等の聞き取り調査については、欧米の研究協力者と相談の上、振津が渡米、渡欧せずとも進められる作業を独自に進めてもらい、報告をまとめてゆく方向で検討する。
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