現地調査: 1. 前年度から本研究に追加した、「福島第一原発事故による汚染地域及びチェルノブイリ原発事故被災地と劣化ウラン汚染地域の住民被曝の比較検討」に関して:(1)福島原発事故の被災地での情報収集、住民への聞きとりと放射能測定等を行った。(4、5、7、8、11、12月)(2)ベラルーシ共和国モギレフ州のチェルノブイリ原発事故被災地での情報収集、住民への聞きとり調査、またミンスクへ移住した被災者の聞き取り調査など行った。(12月)2.劣化ウラン兵器に関する決議が議論された国連総会第一委員会開催時に、振津、G.Munroe(研究協力者)がニューヨークに行き、会議の傍聴、情報収集等を行った。(10月)3.イラクの汚染地域の影響調査と報告:バスラからDr.J.Al-Ali(研究協力者) 、Dr. K.Abdulsadaを日本に招聘し、癌登録制度の現状、疫学調査の進行状況などの報告を受けた。また、両名と振津がともに福島原発事故の被災地を訪問し、避難区域、医療機関、等を視察し、劣化ウラン被災地との比較について意見交換を行った。あわせて広島、大阪、東京で、市民への講演なども行った。(3月) 文献調査: 1.劣化ウランの環境・医学に関する科学的文献について、最新のものまでのリストアップとレビューの資料を作成した。フリーにアクセスできる資料として、公に提供できるよう検討中である。 2.上記のうち、遺伝毒性に関するものをまとめ、「予防原則」の観点からの考察とあわせて、国際的規制について論ずる文書を作成中である。 3.国連総会第一委員会と同時期にニューヨークで開催された「ウラン兵器禁止を求める国際連合」(ICBUW)主催のセミナーで、劣化ウランの遺伝毒性についての文献調査の成果を、振津とG.Munroeが報告した。(10月)
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