研究課題/領域番号 |
22402014
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 明男 大阪大学, 法学研究科, 教授 (60206787)
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研究分担者 |
北村 和生 立命館大学, 法務研究科, 教授 (00268129)
佐伯 彰洋 同志社大学, 法学部, 教授 (10257793)
佐藤 英世 東北学院大学, 法務研究科, 教授 (90205899)
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キーワード | 法曹養成 / 官公庁実務修習 / 司法改革 / 行政改革 / 国際化 |
研究概要 |
本年度は、対象国において、法曹養成と官庁・自治体実務修習の関連づけの現状把握を行うと共に、わが国の中央省庁と選定した自治体について、実務修習と法科大学院学生採用の状況について現状確認を行い、次年度調査のための指標を得た。まず、海外調査は、ドイツについてはハンブルク大学、シュパイヤー行政大学院、フライブルク大学等、アメリカについてはワシントン州立大学ロースクール、フランスについては、パリ第1大学、パリ国立政治学院コンセイユデタ、パリ弁護士会等において、面談等の形で行った。ドイツにおいては、司法修習以外に、国家試験受験前に実務修習が義務付けられているが、近年、その形骸化が問題となる一方で、公共部門への就職については他分野の出身者との競争があり、また法曹養成において国際的に比較可能な学士・修士の認定を導入することの可否が焦点となっている。アメリカにおいては、ロースクールにおいてエクスターンシップの単位化が行われており、その受け入れ先として行政機関も含まれ、また一定数のロースクール修了者が連邦・州・地方の行政機関に勤務している。フランスにおいては、公務員、裁判官・検察官、弁護士の養成課程が異なるが、国立司法学院・弁護士会研修所入所後の修習とは別に、大学やロースクールにおいて弁護士事務所、行政機関、企業等の実務修習が行われ、公共機関を含む組織内弁護士の禁止の緩和が議論されている。また、わが国の調査は、中央省庁における法科大学院学生実務修習の状況を調査すると共に、地方主要自治体として、近畿圏と東北圏の自治体を選定して聞き取り等の調査を行った。中央では、法科大学院修了者を対象とする新しい試験区分の新設が予定されるなど、法科大学院修了者の採用に向けて制度整備が進められている反面、地方では、特に法科大学院学生を対象にした修習の例はなく、法科大学院修了者採用に対する姿勢も概して低調である。但し、政策法務と訴訟リスクに備えた法律事務への需要は存在する。
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