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2010 年度 実績報告書

ロシア正教の現代政治的諸相-世俗化が生む地域社会の再編を中心に実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 22402015
応募区分海外学術
研究機関筑波大学

研究代表者

中村 逸郎  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (40326400)

キーワードロシア政治 / プーチン首相 / メドヴェージェフ大統領 / ロシア正教会 / ロシア革命 / サハリン州 / リャザーン・クレムリン / 北方領土
研究概要

本研究では、ロシア現代社会における正教会の政治・経済活動の実態を調査し、地域社会のあたらしいガバナンス・アクターとしての役割を分析しました。
研究のひとつの焦点として、正教会がソ連時代に剥奪された広大な土地、建物などの返還を政府に求めており、どの程度の財産が譲渡されているかを調査しました。たとえばモスクワ市内のボゴヤヴレーンスキー主教座聖堂は土地とビジネスセンターを所有しており、その実態を分析しました。またリャザーン市を訪問し、正教会に譲渡されたリャザーン・クレムリン内の六つの寺院の所有状況を調査しました。これらの現地調査をとおして政治家と癒着し、財閥化している正教会の実態が浮き彫りになりました。
研究のもうひとつの焦点として、正教会が積極的に推進する愛国主義運動を考察しました。サハリン州を訪問し、正教会の司祭にインタビューするなかでクナシリ島をはじめとして北方領土に教会が4棟建設されています。これからの宗教施設を建てるにあたって、連邦予算が支出され、青年愛国主義団体「われらのサハリン」、さらには軍人たちが協力しています。ロシアを相手とする日本政府の北方領土返還要求では、正教会の動向が重要となると考えられます。またサハリン州内の正教会では、鐘楼の鐘をついているのは徴兵制でウラジオストソク市から派遣されている軍人でした。州都ユジノ・サハリンスク市で2010年11月2日に催された愛国主義のパレードには、市民にまじって軍人が大勢参加し、パレードの出発点となったのはサハリン州内の最大の正教会大聖堂でした。

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公開日: 2012-07-19  

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