研究課題
本研究の目的は,中国および韓国の電機・電子・情報関連企業に焦点を絞り,日本企業との比較を通じて,製品アーキテクチャと開発組織・人材マネジメントとの間の補完関係,およびそれが製品開発成果に与える影響を国際比較することにある.分析に際しては,3つの仮説(仮説1=企業は製品アーキテクチャを戦略的に選択する,仮説2=企業は,選択した製品アーキテクチャに対応して開発組織のデザインを戦略的に選択する,仮説3=企業は,選択した製品アーキテクチャと開発組織とに補完的な人材マネジメントの方法を採用する)を立て,その仮説を代表的企業の聞き取り調査,ならびに企業アンケート調査により検証した.分析の結果,仮説1~2に関しては,主に聞き取り調査結果に基づいて,日本がインテグラル寄りのアーキテクチャを選択し,機能部門横断的な組織構造を採るのに対して,中国はモジュラー寄りのアーキテクチャを選択し,機能部門主導型の組織構造を採り,韓国はその中間にあることが判明した.仮説3に関しては,企業アンケート調査結果の計量分析を行い,日本でのみ,インテグラル寄り(またはモジュラー寄り)の製品アーキテクチャと長期志向(または短期志向)の人材マネジメントとが補完関係にある(開発成果が高まる)こと,韓国でも部分的にはそうした関係が見られるが,中国では確認できないという結果となった.以上に加えて,平成24年度の交付申請書の「平成24年度の研究実施計画」に記したように,エンジニア個人を対象とする調査で補完的な分析を行うことを目指した.結果的には,外交関係の悪化等の理由でエンジニア個人調査を平成24年度中に行うことができず,平成25年度に繰り越しを行った.その結果,エンジニア個人調査は無事終了した.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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NUCB Journal of Economics and Information Science
巻: 58(2) ページ: 279-286
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組織科学
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