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2012 年度 実績報告書

EU経済統合と社会経済イノベーション:新リスボン戦略と地域開発

研究課題

研究課題/領域番号 22402024
応募区分海外学術
研究機関摂南大学

研究代表者

八木 紀一郎  摂南大学, 経済学部, 教授 (30116511)

研究分担者 清水 耕一  岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (00235649)
徳丸 宜穂  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00387656)
田中 宏  立命館大学, 経済学部, 教授 (10163560)
平野 泰朗  摂南大学, 経済学部, 教授 (20165195)
長尾 伸一  名古屋大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (30207980)
萩原 泰治  神戸大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (40172837)
住澤 博紀  日本女子大学, 家政学部, 教授 (50226601)
VALLS ・C Lluis  京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (50411210)
DI MARTINO Luigi  関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (70351715)
土井 康裕  名古屋大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (70508522)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2015-03-31
キーワード国際研究者交流 / 欧州 / 越境地域協力 / 欧州経済統合 / EU / イノベーション政策 / INTERREG / 環境エネルギー政策
研究概要

今年度は5件の海外調査と2回の公開研究会を開催し、中間報告書の作成にあたった。
第1の成果は、1989年から今年にいたるまで4期にわたって実施されてきたEUの地域政策(結束政策)の進化をふまえて提起されている次期(2014-2020)の欧州地域政策の概要について基本的な理解に達したことである。たとえば、EUが支援して発展させてきた越境地域協力(CBC)の領域でも、単なる協力関係にとどまらずに国境を超えて制度・施設を運営するための特別な地域協力団体(EGTC)を設立することが提案されている。私たちの欧州現地調査の一部は、そのモデルとなった越境地域協力の実態調査に向けられた。
第2の成果は、福島第一原発事故以降の状況で、集団ごと、あるいは国家ごとの差異や対立をもちながら欧州の環境・エネルギー政策が進んでいる状態の認識を深めることが出来たことである。現地調査としては、風力発電が急増したスペイン・イタリアの州レベルでの調査、市長会議(Covenant of Mayors)による都市環境政策の交流・協力のヒアリングなどをおこなった。これをもとにして、地域政策に環境・エネルギー政策の視点が浸透しはじめていることとそれにともなうコスト問題や戦略の差異が生まれていることが明らかになった。
第3には、欧州内の越境地域協力の事例調査をおこなったことによる成果である。一方では、欧州内で国境を超えた地域経済が最も発展している地域の一つ(独仏スイスにまたがる上部ライン地域)の調査、他方では越境地域協力が期待されている中東欧のEU新加盟国(ハンガリー、スロバキア)の調査、地域公共体を含む協力体制によってイノベーション政策をおこなっている北欧(フィンランド)の調査がおこなわれた。それによって、欧州における地域政策のフロンティアを理解できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度には海外調査5件を実施し、年度末には進化経済学会第17回大会のセッションとして公開の形でおこない、それをもとに過年度の調査結果と併せて中間報告書をまとめることができた。
欧州経済統合にともなう、国境を越えた地域レベルの協力の進化、および地域政策をベースにした政策統合の動きについての新しい段階が見えてきた。今後2年間はフォロウアップの調査をおこないながら、理論的検討をおこない、全体的な総括および展望を得たい。

今後の研究の推進方策

欧州統合は現在試練にさらされていて。地域政策もその影響を受けざるをえないので、その点を考慮しながら、研究の総括段階に向かう。
平成25年度および26年度には、①これまでの調査で抜けている地域、および、過去の調査によって浮かび上がった問題のフォロウアップ型の調査をおこなう。それととともに、②全体としての総括、理論的検討、将来展望を可能にするような検討をおこなう。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] ニーズ指向の経済への転換2012

    • 著者名/発表者名
      八木 紀一郎
    • 雑誌名

      生活経済政策

      巻: 187号 ページ: 6,10

  • [雑誌論文] 欧州統合の到達点と経済危機の構図2012

    • 著者名/発表者名
      田中 宏
    • 雑誌名

      経済

      巻: 202号 ページ: 119,136

  • [雑誌論文] <影の労働システム>はどのように作動していたのか2012

    • 著者名/発表者名
      田中 宏
    • 雑誌名

      松山大学論集

      巻: 24巻3号 ページ: 167,188

  • [雑誌論文] 欧州国境地域における越境労働市場の現状2012

    • 著者名/発表者名
      土井康裕・鈴木健介
    • 雑誌名

      経済科学

      巻: 60巻2号 ページ: 119,133

    • 査読あり
  • [学会発表] 企業主義的調整の麻痺と社会保障改革

    • 著者名/発表者名
      平野泰朗・山田 鋭夫
    • 学会等名
      経済理論学会第60回大会
    • 発表場所
      愛媛大学法文学部
  • [学会発表] EU地域政策の進化と越境地域協力(CBC)の現状

    • 著者名/発表者名
      清水耕一
    • 学会等名
      進化経済学会第17回大会
    • 発表場所
      中央大学多摩キャンパス
  • [学会発表] The Covenant of Mayors

    • 著者名/発表者名
      Luigi A. DiMartino
    • 学会等名
      進化経済学会第17回大会
    • 発表場所
      中央大学多摩キャンパス
  • [学会発表] スペインにおける風力発電の地域間比較

    • 著者名/発表者名
      Lluis Valls
    • 学会等名
      進化経済学会第17回大会
    • 発表場所
      中央大学多摩キャンパス
  • [学会発表] EUのマクロ地域戦略:ドナウ流域のケース

    • 著者名/発表者名
      田中宏
    • 学会等名
      進化経済学会第17回大会
    • 発表場所
      中央大学多摩キャンパス
  • [学会発表] フィンランドにおけるイノベーション政策の変容

    • 著者名/発表者名
      徳丸宜穂
    • 学会等名
      進化経済学会第17回大会
    • 発表場所
      中央大学多摩キャンパス
  • [学会発表] Cross-Border Labor Market and Daily Commuting

    • 著者名/発表者名
      土井康裕
    • 学会等名
      進化経済学会第17回大会
    • 発表場所
      中央大学多摩キャンパス
  • [図書] EU統合の深化とユーロ危機・拡大2013

    • 著者名/発表者名
      田中宏ほか(久保広正・吉井昌彦編)
    • 総ページ数
      212
    • 出版者
      勁草書房
  • [図書] いま福島で考える-震災・原発問題と社会科学の責任2012

    • 著者名/発表者名
      八木紀一郎ほか共編著
    • 総ページ数
      286
    • 出版者
      桜井書店
  • [備考] 経済統合と社会経済イノベーション(欧州の経験から学ぶ)

    • URL

      http://www.setsunan.ac.jp/~k-yagi/CCP013.html

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公開日: 2014-07-24  

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