研究概要 |
本研究は、米国国立公文書館所蔵のレコードグループ131(以下RG131)に含まれる戦前期の日本商社在米支店関連接収史料の調査をおこない、詳細な目録を整備し、史料を複写収集すること、史料情報と複写史料を広く社会・学界に公開して商社史研究の進展に役立てること、当該史料を用いた日本商社に関する実証的歴史研究を深化させることを目的としている。 2012(平成24)年度においては、研究代表者および連携研究者2名が米国国立公文書館へ出張し、RG131史料中の三井物産関係史料、三菱商事関係史料などの補足調査をおこなった。また、類似接収史料を所蔵するオーストラリア国立公文書館へ連携研究者1名が出張し、史料の補足調査をおこなった。 RG131 史料中、三井物産サンフランシスコ支店と東京本店との間の往復文書など約19,000コマを米国現地の専門業者に委託し複写収集した。これまでの史料調査で蓄積した史料情報を公開するための準備を進めた。収集した複写画像については史料レベル目録の作成を進めた。これらの史料情報は、三井文庫のWEBサイト上で2013年度中に公開する予定である。 研究代表者および連携研究者による史料分析の成果を、2012年5月の社会経済史学会全国大会のパネル「戦前期日本商社の外国間貿易」、同年7月の経営史学会関東部会部会大会「北米接収文書と商社史研究」の場で発表した。それらを踏まえて、研究代表者および連携研究者(高村直助、上山和雄、老川慶喜、大豆生田稔、落合功、中村尚史、大島久幸、岡部桂史、市川大祐)の共著『戦前期北米の日本商社 ― 在米接収史料による研究』(上山和雄・吉川容編著、日本経済評論社)を2013年2月に刊行した。
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