研究課題/領域番号 |
22402030
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤本 隆宏 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90229047)
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研究分担者 |
新宅 純二郎 東京大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (00216219)
朴 英元 早稲田大学, 経済学研究科, 特任准教授 (90526485)
李 澤建 東京大学, 大学院・経済学研究科, 特任助教 (40570495)
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キーワード | 新興国市場 / ものづくり経営 / 製造業 / 市場戦略 / 動態的分析 |
研究概要 |
今年度も、年度当初の予定通り、中国、インド、タイ、・トルコ、ブラジルで、日本企業、韓国企業、中国企業、インド企業の実態について現地調査を実施し、それをベースに各種論文を発表してきた。今年度の中国調査では、中小企業を新たに調査対象に加え、日系中小企業の国際化の問題に焦点を当てた。また、ブラジル、トルコでは日本企業の中でも成功と失敗を分ける理由について調査し、さらに自動車産業では日韓企業の比較を実施した。 ブラジルやトルコで成功している企業は、いずれも、販売活動に多くの投資をしていることが特徴的であった。また、インドでは、昨年度はインド企業中心に調査したので、今年度は、最近、投資を拡大しつつある日本企業を中心に調査を実施した。インド市場でこれまで日本企業は大きな販売実績をあげられなかったが、昨今、市場成果をあげている日本企業は、現地市場向けの商品開発と販売組織の強化を中心に活動していた。 タイでは、昨年の洪水で被災した企業、そのサプライチェーンで影響を受けた企業などを調査した。昨年の東日本大震災で製造のグローバルサプライチェーンが、複雑にいりくんでいることが分かった。タイの調査では、現地の日系企業の製造では、最終製品メーカーの直接的な現地調達率は上がっているが、二次、三次の段階でとらえると、かなりの比率で日本からの輸入が含まれていることがわかった。つまり、日本企業の海外生産が進む中で、日本国内の製造付加価値は、付加価値率は下がるが、付加価値総額は下がらずに、むしろ上がっていることが判明してきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外での現地調査もほぼ予定通りに実施しており、研究は計画通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、計画通りに各地での現地調査と、それにもとついた研究論文作成を続けていく。本研究プロジェクトにとって、大きな問題は、演研究開始時からのコアメンバーであった天野氏が、昨年ll月に急逝したことである。彼が残した研究成果を引き継ぎながら、4月以降は新たなメンバーを加えることで、その穴を埋めていく予定である。
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