研究課題/領域番号 |
22402032
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
安保 哲夫 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 教授 (90013028)
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研究分担者 |
山崎 克雄 静岡産業大学, 経営学部, 教授 (70340122)
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キーワード | アフリカ経済社会 / 日本型経営生産システム / 適用-適応のハイブリッド工場 / 国際的技術移転 / 発展途上国経済・経営 / 欧州型経営システム / 機能等価 / 黒人優遇政策(BEE) |
研究概要 |
本研究の目的は、アフリカにおける日本企業を中心とした多国籍企業の現地活動調査を通じて、日本型経営生産システムが、この世界経済の最後発地域にいかに受容可能であるかを究明することである。それは、われわれ日本多国籍企業研究グループが得たA・学術振興研究資金(平成21年度~23年度)とB・科学研究費(平成22年度~24年度)の二つの研究助成金に支えられている。本年度は合わせて計4年間のうちの3年目で、現地調査では、初年度が北部・東部、2年度は南部・東部で活動する企業・工場を訪問した後を受けて、その補完と拡張を、国内では国内工場訪問と全体の集大成に取り掛かった。訪問国と企業は、アフリカでは、東部のモザンビーク(モザール)、ジンバブエ(マツダ再訪)、マダカスカル(現地企業など)や北部のチュニジア(YKKなど)、そして初めて西部の大国ナイジェリア(ホンダ、三菱商事、双日、中国企業)、さらに2回目の南アフリカで重要企業の再訪(デンソー)、新規の現地企業、有力日本企業(ブリジストン、日立建機、日本碍子、商船三井)、欧米・日系(GM,UDトラック)、M・ベンツ、影響力の強い労組(NUMUSA)など、国内では、デンソー、豊田合成、コマツなどで、大いに成果を上げた。アフリカ調査メンバーは、メキシコの研究協力者を含め11名で、3-4班に分かれ、8月末~9月半ばの2週間前後の期間に、当初計画を達成できた。国内では、工場訪問の他、3年目ということで、対外的な発表と討論の機会を増やした。中間的取りまとめの学界ジャーナル(『赤門マネジメントレビュー』)への掲載準備を進め、また東京大学ものづくり経営研究センターのコンソーシアムでの発表を行った。その間に、収集資料・データの整理・分析、その成果としての「会社記録」、「適用・適応評価総括表」の作成、それらのデータ化を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アフリカのような、企業経営にとってなお未開拓な面が多い地域において、日本企業だけでなく欧米企業や一部現地企業においてすら、注目すべき日本的経営生産システムの移転・導入の事実が少なからず発見されたこと。さらに、そうした調査研究成果が、国内の学界で相当に注目され、その中間的な報告・発表が、研究者や企業人に評価されていること。この成果の一部はまた、海外の学界でも、発表の機会を得つつあること(Second International Confarence on HRM and the management of organizations in AfriCa 6-7 September 2012、Nottingham University Business School,and Manchester University,など)。
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今後の研究の推進方策 |
本研究計画の最後の4年目には、アフリカおよび国内企業の追加訪問により以上の事実発見を拡充しつつ、収集資料・データの整理・分析、その成果としての「会社記録」、「適用・適応評価総括表」の作成、それらのデータベース化を一層充実化する。その上で、その分析・評価に注力しつつ、当初の仮説の検証を鋭意進める。成果の対外発表としては、1-2年度調査の中間的取りまとめの学界ジャーナル(『赤門マネジメントレビュー』)への掲載を実現し、続いて3-4年目を合わせた総まとめを行い、総合成果の出版を目指す。
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