• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

越境システムの進化制度論的展開とコミュニティ

研究課題

研究課題/領域番号 22402038
研究機関首都大学東京

研究代表者

丹野 清人  首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (90347253)

研究分担者 関 礼子  立教大学, 社会学部, 教授 (80301018)
キーワード日系旅行社 / 越境システム / リーマンショック / デカセギ労働者 / 日系企業のブラジル進出
研究概要

日系旅行社を日本へデカセギ労働者を送りだす越境システムと見たときに、リーマンショックまでの期間はブラジルサイドの越境システムは日本の労働市場の在り方に応じて変化してきたことを、日系旅行社経営者への聞き取り調査から明らかにした。だが、このブラジルサイドの越境システムの変化は、単に日本の労働市場に反応するだけではなく、ブラジルでの日系旅行会社の増加=プレーヤーの増加によりブラジルでの日系旅行社間競争が激化することによって、多様な経営方針を持った日系旅行社を増加させこのことが送りだすことの可能な労働者の幅を広げてきたことも明らかになった。
また、リーマンショック後は、ブラジルの日系旅行社は単に日本の労働市場の変化を受けるだけではなく、ブラジルの拡大する景気により大きく影響されるという新しい状況が生まれていることが分かった。こうした事態が発生したのは、リーマンショックにより日本の景気が悪化し日本へのデカセギ就労者の送り出しがビジネスとして停滞していた間に、ブラジルには資源を求めて世界中から投資が行われ、この投資を背景にした経済発展が伸びることにより幅広い階層で観光旅行がブームになったことによるものであった。結果として、日系旅行社もデカセギをビジネスの主体とするデカセギ旅行社は少数となり、観光旅行業をメイン事業セグメントとするものに転換していた。その一方で、日本企業のブラジル進出は大企業ばかりでなく中小企業にも及んでおり、日系旅行社はこうした進出日系企業の工場建設のための土地取得やブラジル工場のための人集めをも行い、日本への労働力の送りだしによる日本企業へのサービスの提供だけでなくブラジルに進出してきた際のサービスにもビジネスを拡大してきていることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

平成21年度から本研究は開始されたが、平成22年に研究代表者が勤務校で半年間のサバティカルを与えられ、その期間をサンパウロ大学に受け入れてもらい現地調査を集中的に行うことが出来た。このことにより、予定していたよりも1年前倒しで研究が進展している。

今後の研究の推進方策

当初予定していた以上のペースで研究を進めることが出来ている。今後もこのペースで研究を進めて、本申請研究を応募したときに考えていた以上の成果をあげたいと考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 日伯間の移民制度の変容とコミュニティ2012

    • 著者名/発表者名
      丹野清人
    • 雑誌名

      社会と調査

      巻: No.8 ページ: 64-67

  • [雑誌論文] 日系人の受け入れから見えてくる日本国籍の境界2011

    • 著者名/発表者名
      丹野清人
    • 雑誌名

      社会人類学年報

      巻: 37巻 ページ: 27-50

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 観光の環境史I-まなざされる国の生成2011

    • 著者名/発表者名
      関礼子
    • 雑誌名

      応用社会学研究

      巻: 54号 ページ: 15-42

  • [学会発表] Situacoes Atuais e Problemas em de Dekasegui Residentes no Japao2011

    • 著者名/発表者名
      丹野清人
    • 学会等名
      サンパウロ大学人分社会学会
    • 発表場所
      サンパウロ大学哲学・文学・人間科学部
    • 年月日
      2011-12-15
  • [図書] 労働再審42011

    • 著者名/発表者名
      西澤晃彦編
    • 総ページ数
      277
    • 出版者
      大月書店

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi