研究課題/領域番号 |
22402046
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 北海道情報大学 |
研究代表者 |
隼田 尚彦 北海道情報大学, 情報メディア学部, 准教授 (40301014)
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研究分担者 |
片山 めぐみ 札幌市立大学, デザイン学部, 講師 (40433130)
福田 菜々 北海道工業大学, 未来デザイン学部, 講師 (70554731)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 社会福祉関係 / コミュニティ / 高齢者 / 縁側サービス / QOL / 国際比較 / 台湾 / デンマーク |
研究概要 |
本調査研究の目的は,高齢者と地域および福祉施設を繋ぐ「縁側サービス」を日本の先進事例と諸外国の事例を国際比較することで,今後の福祉コミュニティのあり方や可能性を考察することである。そのため,24年度は台湾とデンマークにおける高齢者の居場所の意義と利用者の生活の質を探った。また,日本側の比較対象事例として23年度に追加した京都での調査と,さらに追加対象候補事例として武蔵野市の事例の予備調査を行った。なお,24年度は不測の事態により台湾での調査のみを行い,残りの調査を25年度に繰り越して行った。 台湾における調査では,高齢者の居場所の利用者に対するQOLや日々の生活に関するインタビュー調査を行い,一人一人の生活様式とQOLに関するデータを収集した。 デンマークでは約20年前の施設解体時から,本研究のテーマと似たようなコンセプトで居場所整備が進められているという報告があったが,その実態の詳細が明らかになっていなかった。そのため,本調査でコペンハーゲン郊外の4施設の視察を行うとともに,責任者やボランティアスタッフ等へのインタビューを行った。その結果,文献で述べられているようなシームレスに地域で老いることがうまくいっていない現状が明らかとなった。問題点を洗い出し,本研究のコンセプトの強化に繋げることが出来た。 京都の事例では,ボランティアスタッフと利用高齢者に対し,台湾調査と同様のインタビュー調査を行った。 25年6月にソウルで開催の第20回国際老年学会でのシンポジウムを企画し,研究成果の一部を投稿した。現在は各調査対象地でのデータ分析を終了し,これまでの調査結果や平成25年度の調査結果と併せて,論文に纏める準備を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者の不慮の病気により調査予定の半分を25年度に繰り越ししたものの,予定した調査をすべて完了し,平成25年度の調査のための準備調整も滞りなく進んだ。また,25年6月に開催の第20回国際老年学会でのシンポジウムの企画も採択された。 本調査対象との比較対象事例に関する調査結果を纏めた論文が査読論文として日本建築学会計画系論文集に採録された他,データ分析もおおむね良好に進んでおり,ほぼ研究計画通りに進んでいると考える。
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今後の研究の推進方策 |
25年度のサンパウロとシカゴの調査,新たに加えられた日本側の事例調査の結果を,以前に行った日本側の事例などと比較分析し,26年に開催予定のIAPSへの論文投稿を行う。それらの結果を踏まえて,26年度には本研究を論文の執筆および書籍の執筆を進めることになる。
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