研究課題/領域番号 |
22402046
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 北海道情報大学 |
研究代表者 |
隼田 尚彦 北海道情報大学, 情報メディア学部, 准教授 (40301014)
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研究分担者 |
片山 めぐみ 札幌市立大学, デザイン学部, 講師 (40433130)
福田 菜々 北海道工業大学, 未来デザイン学部, 講師 (70554731)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 社会福祉関係 / コミュニティ / 高齢者 / 縁側サービス / 国際比較 / QOL / アメリカ / ブラジル |
研究概要 |
本調査研究の目的は,高齢者と地域及び福祉施設を繋ぐ「縁側サービス」を日本の先進事例と諸外国の事例を国際比較し,少子高齢社会の福祉コミュニティの可能性について検討することである。そこで,本調査研究対象となる「介護保険制度を持たない諸外国における,地域コミュニティの力を活用したり,地域コミュニティとの結びつきを強化しようとする施設等や実際に試みられている事例」での高齢者たちの生活の質を調べるために,米国・ブラジルの調査対象におけるボランティアや利用者へのインタビュー調査および現地研究協力者との研究討論を行った。また,日本側の比較対象事例の追加候補として東京の事例をいくつか視察し,研究会での新たな事例報告などの情報収集も行った。 本調査の結果,ブラジルや米国の事例での高齢者たちの生活の質が極めて高いことが明らかとなり,そういった高齢者たちの日常生活の行動などとの関係性を分析しているところである。一方で,これらの施設が高齢者の身体状況の変化に対応した地域内でのシームレスなサービスを必ずしも提供できているわけではないことが問題となっている。 アメリカでの事例は,高齢者サービスを展開する上での経営的視点では示唆に富む事例でもあり,今後の比較分析の中でビジネスモデルとして検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した米国およびブラジルでの調査・研究討論は,ほぼ予定通り順調に完了できた。残念ながら,ブラジルでは1カ所の調査予定施設が現場担当者によって直前にキャンセルされたため,慌てる場面もあった。現地協力者の機転により同様の代替調査施設をお願いし,調査自体は無事進めることが出来た。ただし,ブラジルでの滞在中に,今回キャンセルになった施設の施設代表責任者と研究代表者の間で話し合いを行うことが出来,今後,再調整の上調査を行う確約を得ることが出来た。 また,ソウルにて開催された第20回国際老年学会(平成25年6月開催)でシンポジウムを企画し,結果の一部に関する研究発表および研究討論を行うことができた。 さらに,平成26年6月にルーマニアで開催予定のIAPS2014への投稿を行うとともに,日本側調査対象の調査結果を日本建築学会計画系論文集へ投稿論文として提出した(現在,査読中)。また縁側サービスに関連する箇所を分担執筆した書籍「雪国における高齢者の居場所づくり」もワールドプランニングより近々刊行予定である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果を纏め,事例間の比較分析を行う。そこから得られた知見を基に論文を執筆し,併せて「縁側サービス」に関する書籍の刊行を計画する。 また,年々増えつつある日本国内の高齢者の居場所を追加調査し,今後の検討や研究計画を行う予定でもある。併せて,急なキャンセルとなったブラジルの調査対象施設での調査計画を立て,予算の申請なども検討する。 最終的には,これまで調査した施設関係者や研究協力者を交えた国際シンポジウムを27年度以降に開催することを検討したいを考えている。
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