本研究の目的は、海外各国のIFRS(国際会計基準)教育を調査分析することにより、IFRS教育の体系とリテラシーを構築し、より効果的な教材開発を行うことにある。 研究最終年度にあたる平成25年度においては、これまでの研究調査・分析によって得られた成果報告と追加的研究(アメリカ)を行った。成果報告として、国際ジャーナルへの研究論文の刊行を実現するとともに、国際学会での発表・準備を進めた。調査対象国の中でも研究調査が順調に進んだインドネシア会計教育に関する調査研究の成果を総括し、研究図書を刊行する予定である。 アメリカの大学における追加的研究は次のとおりである。まずIFRS教育については、現時点でアメリカ企業にIFRSの強制適用が実施されていないため、IFRS教育を軸とするカリキュラム開発への取り組みには大学間で差がみられることがわかった。研究代表者はノーステキサス大学のカリキュラム(学部・大学院)の構成内容について詳細に検討を行った研究論文を執筆し、国際学会発表へ向け提出している。 さらに、会計教育の根幹となる学習動機に関するアメリカ学生向けフィールド調査を行うための環境整備を進めている。本研究は研究代表者とノーステキサス大学の複数の教員らとの共同研究の一環であり、同大学での許可プロセスを経て調査・分析を行い、昨年度に実施済の日本、インドネシアの会計学生向け各調査結果との国際比較へと展開する予定である。
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