研究概要 |
デンマーク、韓国、シンガポール、インドにおける乳幼児期のインクルーシブ教育システムの現状と課題を明らかにするためのフィールド調査結果(平成22年度に予備調査、平成23年度に本調査)に基づき、日本も含めた各国のインクルーシブ教育システムの背景にある障害観、特別支援教育(インクルーシブ教育)観に関する質問紙を作成し、調査を実施した。研究協力者の協力によって、日本、デンマーク、韓国、シンガポール、インドの幼稚園、保育所等にて保護者及び保育者に対して質問紙調査を行った。日本は日本語、デンマークはデンマーク語、韓国はハングル語、シンガポール、インドは英語での実施とした。5カ国で約1200名のデータを収集した上で、それらを統計的に分析し、各国の結果を比較検討することによって、各国のインクルーシブ教育システムの背景にある障害観や教育観の特徴を明らかにした。また、フィールド調査と質問紙調査の結果より、各国のインクルーシブ教育が、どのように保護者や保育者の中に根付いていのかについて考察を行った。 また、2013年3月1,2日には、日本、デンマーク、韓国、シンガポール、インドより研究協力者及びインクルーシブ教育の専門家を9名招き、「乳幼児期のインクルーシブ教育における相談・支援制度及び体制に関する国際シンポジウム」を相模女子大学にて開催した。シンポジウムでは、各国の乳幼児期のインクルーシブ教育の現状と課題に関する講演が各国の研究者と実践者より報告され、それに対して56名の参加からも多くの質疑応答がなされた。 平成24年度に実施した質問紙調査の結果も含めた3年間の研究成果については、平成25年度の保育学会(2013年5月11,12日)、IASSIDのAsia-Pacific 3rd Regional Conference(2013年8月22、23日)にて発表予定である。
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