研究課題
本年度は、平成22年度に豪州にて取得した「はやぶさ」帰還時のインフラサウンド記録および地震記録、光学観測記録を用いて、(1) インフラサウンドと地震動の同一地点・同時観測から大気-地表面カップリング過程におけるエネルギー伝搬効率の解明、および (2) 流星への応用による流星物質のサイズ(直径)推定を行った。(1) 大気圧変動と地動との変換過程を理解するために、それぞれのスペクトル記録を用いて伝達関数を定義した。また、大気中の衝撃波から固体地球の振動へのエネルギー伝搬係数は、過剰圧やその他の観測値から、約0.5%と見積もられた。この値はStardust の再突入時データから得られる値(約2%)よりはやや小さい。これらの結果から火球現象における大気から固体地球へのエネルギー伝搬係数はせいぜい数%のオーダーであることが予想される。(2) ReVelle (1976) の理論式に対して、観測結果に基づく係数の修正を行った。過去に日本で衝撃波励起の地震動が観測された3つの火球(宮古、関東、神戸)(Ishihara et al., 2003; 2004) に係数修正後の理論式を適用すると、大気圏突入前の火球サイズとして、宮古火球では~1 m、関東火球では~5 m、神戸火球では~0.5 mとの推定結果が得られた。上記の結果について、学術雑誌への発表6件(査読有5件)、国際会議3件・国内会議1件の学会発表を行った。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
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http://earth.s.kanazawa-u.ac.jp/hayabusa.html