研究課題
本研究の目的は、南極-インド-マダガスカルに産出する高度変成岩の地質調査と岩石学的・年代学的解析を行い、ゴンドワナ超大陸形成時の大陸地殻の進化プロセスを解明することである。当該地域は約5~5.5億年前の東西ゴンドワナ大陸の衝突という、地球史のなかで極めて稀な大規模大陸衝突によって形成された造山帯(東アフリカ-南極造山帯)の痕跡が広く分布している。本年度は8月と3月に南インドの地質調査を、12-2月に南極の調査を行い、インドからは約100個、南極からは約1100個の岩石試料を採集した。これらの一部は大陸衝突に特徴的な高温高圧の変成岩であり、代表的な岩石約200個について、岩石薄片の作成と鉱物の化学分析を行った。こうしたデータは今後の岩石学的・年代学的比較研究を行うための基礎データとなる。また、異なる時代の変成岩体との比較として、北中国ブロックの約20億年前の変成岩体の調査を行い、約30個の岩石試料を採集した。また、27億年前の南部アフリカの変成岩(試料はすでに採集済み)との比較研究も行っている。今までの結果から、形成時代や場所が異なっていても、類似した大陸衝突プロセスによって形成された岩石は、極めて類似した組織や鉱物組成をもつことが明らかになった。本研究に関して、平成22年度内に4件の論文を国際誌に投稿し、その一部はすでに受理されてオンライン公表済みである。また、8件の学会発表を行った。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (8件) 備考 (1件)
Journal of Asian Earth Sciences
巻: 42 ページ: 330-340
10.1016/j.jseaes.2010.11.016
Gondwana Research
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http://www.geol.tsukuba.ac.jp/gansekihp/index.html