研究課題/領域番号 |
22403017
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
角替 敏昭 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50252888)
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研究分担者 |
SANTOSH M. 高知大学, 理学部, 教授 (20333453)
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キーワード | ゴンドワナ / 超高温変成作用 / 造山帯 / 温度圧力経路 / テクトニクス / リュツォホルム岩体 / パルガットカウベリー剪断帯 |
研究概要 |
本研究の目的は、南極-インド-マダガスカルに産出する高度変成岩の地質調査と岩石学的・年代学的解析を行い、ゴンドワナ超大陸形成時の大陸地殻の進化プロセスを解明することである。当該地域は約5~5.5億年前の東西ゴンドワナ大陸の衝突という、地球史のなかで極めて稀な大規模大陸衝突によって形成された造山帯(東アフリカ-南極造山帯)の痕跡が広く分布している。 本年度は、平成22年度に採集した南極および南インドの岩石の処理を中心に研究を行い、年度末までに350枚の岩石薄片作成、45試料の全岩化学分析、52試料の鉱物化学組成分析を行った。これらデータを検討した結果、南極の岩石が南インドと類似した形成史をもつことが明らかになった。これは南極-インド地域の対比を行う上で重要な発見である。 また、平成23年12月に南インドの地質調査を行い、約120個の新たな岩石試料を採集した。これらの一部は海洋プレートを構成していた地殻の断片であり、それらがプレート沈み込み時にはがれて、大陸上にのし上げたものであると考えられる。さらに、異なる時代の変成岩体との比較として、モンゴル西部の約3.5億年前の変成岩体の調査を行い、約40個の岩石試料を採集した。この岩石については現在解析中である。昨年度地質調査を実施した北中国ブロックの変成岩は解析を終了し、現在論文執筆中である。 本研究に関して、平成23年度に4件の論文を国際誌に投稿し、その一部はすでに受理されて公表済みである。また、年度内に4件の国際学会発表と8件の国内学会発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は南極とインド、次年度はインドの地質調査を計画通りに行うことができた。また、2年間で8編の論文を公表し、現在3編を投稿中、7編を投稿準備中であり、順調に成果が出つつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の後半となる平成24年度より、マダガスカルの調査を2年間実施する計画である。基本的には前半と同じ手法を用いて地質調査および岩石処理を行う予定であるが、広大な面積をもつマダガスカルのため、当該研究の実施に最適な地域を選ぶことが最も重要な作業といえる。研究分担者であるSantosh教授の高知大学辞職により、岩石形成テクトニクスおよび年代学の担当者が不在となった。この影響は大きいが、引き続き協力を得て行く予定である。
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