研究課題
本年度は、平成22-23年度に採集した南極および南インドの岩石の処理を中心に研究を行い、年度末までに250枚の岩石薄片作成、30試料の全岩化学分析、45試料の鉱物化学組成分析を行った。これらデータを検討した結果、南極、南インドの変成岩ともに、25億年前の太古代の島弧起源の火成岩を原岩とし、それらが5億年前に大陸衝突型の変成作用を受けたことが明らかになった。これは南極-インド地域の対比を行う上で重要な発見である。また、平成24年8月にマダガスカルの地質調査、12月に南インドの地質調査、さらに平成25年3月にはスリランカの予備調査を行い、約220個の新たな岩石試料を採集した。これらの一部は海洋プレートを構成していた地殻の断片であり、それらがプレート沈み込み時にはがれて、大陸上にのし上げたものであると考えられる。昨年度地質調査を実施したモンゴルの変成岩は解析を終了し、現在論文執筆中である。本研究に関して、平成24年度に10編の論文を国際誌に投稿し、その一部はすでに受理されて公表済みである。また、年度内に10件の国際学会発表と11件の国内学会発表を行った。
2: おおむね順調に進展している
H22年度は南極とインド、H23年度はインド、H24年度はインドとマダガスカルの地質調査を計画通りに行うことができた。また、3年目の終了時点で17編の論文を公表し、現在3編を投稿中、5編を投稿準備中であり、順調に成果が出つつあるため。
平成24年度に調査を行ったマダガスカル南部の治安が悪化して継続的な調査困難なため、代替地としてスリランカの調査を予定している。平成25年3月にスリランカの予備調査をおこなって現地のペラデニヤ大学の研究者と意見交換を行い、平成26年1月に本格的な調査を行う計画である。スリランカは5億年前には南インドと南極の中間点に位置していたと考えられるため、ゴンドワナ大陸衝突帯の形成史解明に役立つと期待している。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (21件) 備考 (1件)
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