研究課題/領域番号 |
22404001
|
研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
渡邉 学 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙利用ミッション本部, 研究員 (10371147)
|
キーワード | 土壌水分 / 永久凍土 / SAR / フルポーラリメトリ |
研究概要 |
本研究の目的は以下を明らかにすることであった。 1)衛星と地上レーダデータを用いた、永久凍土の水分量の違い、凍結・融解状態でのレーダの散乱特性の解明。 2)衛星データを用いて、永久凍土の水分量の違い、凍結・融解を広範に推定するアルゴリズムの作成 3)シベリアで凍結/融解マップを作製し、温暖化が住人の生活に与える影響を評価する。 1)については平成22年度にほぼ達成した。この結果をまとめてIEEEの査読付き論文誌(Trans.Geosci.Remote Sensing)に投稿し、平成23年度に掲載された。2)については、平成22年度に1)の結果に基づいて、水分量を推定するアルゴリズムの開発を行い、平成23年度に開かれた2つの国際学会(IGARSS2011 in Vancouver,APSAR 2011 in Seoul)で成果を発表した。平成23年度は、アラスカ永久凍土域に地上設置型散乱計を持ち込んで、地表面の"複素誘電率を定量的に求める"ことに成功した。夏季に地表面に現れる永久凍土活動層(融解層)では、複素誘電率の虚数部が大きくなっている箇所が多く見つかり、衛星搭載合成開口レーダ(PALSAR)で得られたフルポーラリメトリのデータ解析で得られたこれまでの結果と矛盾しないことが分かった。平成24年度は本成果を国際学会(IGARSS2012)で発表する予定である。また、3)のシベリアでの凍結/融解マップについて、現在PALSARデータを集め始めた。シベリアでの温暖化が住人の生活に与える影響を文化人類学の立場から研究している東北大学の高倉教授と協力しつつ、影響を評価していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年間で3つの大きなテーマを掲げたが、2年目が終わった現在、2つまではほぼ終了している。
|
今後の研究の推進方策 |
"研究実績"で書かれたシベリアで凍結/融解マップを、PALSARのデータを用いて作製する。温暖化が住人の生活に与える影響を、文化人類学者の立場から研究している東北大学高倉教授と連携しつつ、評価を行う。
|