平成22年度は新規バイオブリケット(BB)の調製・評価、中国とベェトナム農村部における家畜飼育に伴う有機堆肥の生産可能性について、主として調査研究を行った。 1)技術移転想定地域の民生燃料ならびに環境情報の収集整理 ベェトナムハノイ北部、中国重慶近郊機村部では、石炭や煉炭を利用している地域が存在している。同地域には農業廃棄物としてイナワラが豊寓に存在している。また、中国農村部では富栄養化原因物質(N、P)高吸収性水生植物が、ベェトナムではバイオディーゼル燃料(BDF)生産を目的とするジャトロファの栽培も見られた。 2)富栄養化原因物質高吸収植物ならびにBDF生産廃棄バイオマスからの新規BBの調製 富栄養化原因物質(N、P)高吸収性水生植物をバイオマス廃棄物として、低品位石炭と二酸化硫黄固定剤を加圧成型して新規BBを調製し、その強度を評価した。また、バイオマス廃棄物としてジャトロファをもちいて、新規BBを調製した。 3)新規BBの燃焼性・排ガス特性の評価 富栄養化原因物質(N、P)高吸収性水生植物等から調製した新規BBの燃焼性、燃焼時の二酸化硫黄固定率、カーボンニュートラルなバイオマス利用による二酸化炭素排出削減率の推定を行った。 4)中国四川省農村部の家畜飼育状況ならびに家畜堆肥の現地調査 中国重慶近郊農村部では、広く養豚が行われおり、窒素分を補うための家畜堆肥の生産が可能と考えられた。 5)ベェトナムにおけるバイオブリケット燃焼灰・家畜堆肥の同時施用可能性の評価 中国重慶農村部とべェトナムハノイ近郊農村部における石炭、煉炭の使用状況、家畜飼育状況から、BB燃焼灰と有機堆肥の同時施用による酸性土壌改良が可能と考えられた。しかし、中国重慶近郊の農村部では、液化天然ガスの利用など燃料の多様化が進んでおり、BBの普及対象地域としてはさらに検討が必要と考えられた。
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