研究課題/領域番号 |
22404005
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
坂本 和彦 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 名誉教授 (20111411)
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キーワード | 環境技術 / 大気汚染防止・浄化 / 廃棄物再資源化 / 二酸化炭素排出削減 / 環境調和型農林水産 |
研究概要 |
1)中国農村部の民生燃料に関する調査 低品位石炭とバイオマス廃棄物に硫黄固定剤を混合・高圧成型して調製するバイオブリケット(BB)の適用地域として、中国四川省重慶市郊外龍井村の燃料利用状況を調べた。その結果、数年前までの石炭とバイオマス廃棄物から、LPG、電気等へと急激に変化していることが分かった。 2)バイオディーゼル燃料(BDF)搾りかすからの新規BBの調製・燃焼性・排ガス特性の評価 ジャトロファからのBDF調製を想定し、その搾りかす、低品位石炭と二酸化硫黄固定剤を加圧成型して新規BBを調製し、その圧壊強度、二酸化硫黄固定率、二酸化炭素排出削減率の定性的評価を行った。その結果、オガクズ等をバイオマス廃棄物として調製したBBと同程度の強度、二酸化炭素排出削減率が得られるものと推定されたが、ジャトロファは使用する部位によりバイオマス由来の二酸化硫黄排出にも注意する必要があることがわかった。 3)ヴェトナムハノイ近郊農村部における石炭利用状況と家畜飼育状況の調査 ヴェトナムのハノイ近郊のタイグェン省農村部における石炭の利用状況と家畜飼育状況を調査した。石炭中の硫黄含有率は数パーセント程度であり、石炭の直接燃焼に加えて、粉炭と粘土から調製された煉炭が多用されていたが、一部バイオマス燃料も使われていた。また、家畜としてブタも飼育されていた。よって、BB利用、さらにはBB燃焼灰と家畜堆肥の同時施用の可能性は高いと判断された。 4)BB燃焼灰・家畜堆肥の同時施用の評価 BB燃焼灰と豚糞堆肥の同時施用により、短期栽培可能な二十日大根の成長実験を行った。その結果、同時施用による酸性土壌のpH調整効果と豚糞堆肥による窒素肥料の効果により、二十日大根の十分な成長が確認された。また、この同時施用により二十日大根可食部への重金属の取り込みが抑制され、同時施用の有効性が明らかにされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成22年度の中国重慶農村部の調査と我が国における東日本大震災がほぼ重なり、その後に予定していた平成22年度内におけるベェトナム調査が困難になり、ベェトナム内陸部の石炭利用農村地域の現地調査が、平成23年度にずれ込んだためである。
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今後の研究の推進方策 |
現地協力者等との連絡を密にして、現地協力者によるベェトナム農村部の情報収集ならびに短期間の現地調査で必要な情報を得られるようにする。
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