研究課題/領域番号 |
22404009
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
入江 光輝 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (50451688)
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研究分担者 |
梅田 信 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10447138)
韓 唆奎 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教 (40455928)
柏木 健一 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教 (00447236)
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キーワード | 水資源 / 水工水理学 / 土木環境システム / 農業工学 / 国際貢献 |
研究概要 |
サハラ周縁部では表流水資源の持続的利用の重要度が非常に高いが、近年貯水池への堆砂進行し、貯水容量の低下が著しい。そこで堆砂物を有効利用することを目指し、そのポテンシャルについて研究を進めている。 まず、チュニジア北部の貯水池において深浅測量を行い、ダム建設前の地形との比較により堆砂分布傾向を評価した。同貯水池では近年、下流部の湿地環境保全のために環境用水を放流するようになったが、その管理方針の変化により堆砂分布傾向にも影響が及んでいる可能性が示唆された。また、広域水質観測を夏期と冬期に行ったところ、夏期の水温成層の発達が顕著で、水底付近は嫌気状態となっており、堆砂物中で腐植物質が生成されやすい状況になっていることが確認できた。 次に堆砂物をサンプリングし、有効利用において付加価値を持つと考えられる腐植物質の抽出を試みた。その結果、ある程度の腐植物質が含まれていることが確認できた。その腐植物質の化学構造的特性をFT-IR解析によって評価したところ、日本における標準的な腐植物質とは特性の異なることが明らかとなった。また堆砂物を土壌改良材や抽出腐植物質を利用する上で安全基準の一つとなる重金属は含まれておらず、発芽試験においても影響がないことが確認できた。 また、現地における実践的な堆砂物の有効利用を現地ニーズ調査等により検討したところ、同地域の堆砂物が粘土質であることを利用し、陶器や建材(焼き煉瓦)の原材料での利用の可能性も見いだした。
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