研究課題/領域番号 |
22404011
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
柴山 知也 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40143391)
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キーワード | 津波 / 高潮 / 途上国 / 沿岸災害 / 被災機構 |
研究概要 |
スリランカ(勤務先は英国の大学)の研究者を7週間、ベトナムの研究者を3週間にわたって日本に招聘し、過去の津波、高潮、高波被害の状況、復興のプロセスについての共同研究を実施した。また、チリの研究者が4週間、研究滞在なし、2010チリ津波を踏まえて、チリ沿岸部の海底谷の津波への影響について、共同で検討した。途上国における現地調査として、インド南東海岸の2004年インド洋大津波による津波被害の比較調査・復興調査について、インド工科大学マドラス校の研究者と共同調査をおこなった。比較事例として2011年東北地方太平洋沖地震津波の被害状況を現地調査して分析し、これまでのインド洋津波、チリ津波などの被炎事例と比較検討している。これにより、本研究で対象としている海外の災害ポテンシャルについて、より深い分析を行うことができた。一方で、沿岸環境変化の評価を行うため、流域から海岸に供給された泥について、海岸域における波および流れによる再配置の機構を解明するための基礎的な検討を継続した。特に不規則波浪場における底質泥の海岸での移動機構については、昨年実施した水理実験結果を分析した。実験結果の分析にはこの点について深刻な問題を抱えているイランの研究者の協力を得た。バングラデシュの高潮災害の分析のためにスーパーコンピュータを使用して全球気侯モデルを応用した高潮数値予測モデルを構成した。国際会議での研究発表と情報収集としてCOPEDEC(途上国における海岸、港湾工学会議)、Coastal Structuresに出席し、研究発表と情報収集を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
津波、高潮、高波などの予測とそれへの有効な対策を考案するため、沿岸・地域の災害環境の変化の経過を正確にとらえる事を目指して、各国の海岸工学研究者との共同研究が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
目標に向けて順調に研究が進んでおり、今後も共同研究を進めていく。
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