研究課題
昨年度に引き続き台風Yolandaによる大規模高潮の研究を進めた。2014年10月と2015年1月にフィリピンにおいて追加の調査と現地の研究者との研究情報の交換、討論を行った。強風による被害と強風に伴う急速な変動をもつ高潮が海岸線から数百mの局所的な範囲に被害をもたらした点が特徴であった.住民には,高潮やその危険度の理解,避難に関する知識・意識に課題があり、災害現象を現実的な感覚を伴って伝えておく必要がある.一方で本研究課題で開発を進めている気象-高潮-波浪-潮汐統合モデルの高度化を行い、バングラデシュ、ミャンマー、インド、フィリピン、日本の例に適用した。モデルでは、メソ気象モデルを使用し、台風の風速、気圧を算定し、風速、気圧を非構造格子有限体積法海洋モデルの外力として与えて、気圧低下による海面上昇と風による吹き寄せを算定する。更に風速を波浪推算に入力する。データ同化潮位推算モデルを使用し、天文潮位を算定する。これらを合計し、高潮を算定する。本モデルは上記の国々での台風の高潮を精度よく再現していた。また、地球温暖化による高潮災害の大規模化についても推算した。2014年9月16日に早稲田大学理工学術院会議室において、まとめの研究連絡会を開催して、カナダ、ベトナム、インドネシア、アメリカ、韓国、タイ、バングラデシュでの沿岸環境と災害について、それぞれのおかれた条件の報告を行った。2015年2月にイランの研究者を招へいして、イランの状況についての報告を受けた。2014年6月に国際会議の際にチリの研究者から津波脆弱性についての報告を受けた。2014年11月にカナダ、ドイツの研究者と津波高潮被災機構に関する共同実験を行った。バングラデシュ、ミャンマー、インドの高潮に対する脆弱性を検討し、異なる準備状況と与えられた自然条件が、人的被害の多寡を決定していることが解った。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)
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http://www.f.waseda.jp/shibayama/