早稲田大学エジプト調査隊が調査を進めている、ルクソール西岸アメンヘテプ3世王墓、コーカ地区高官墓、ダハシュール北遺跡、アブ・シール南丘陵遺跡、クフ王第2の船の5遺跡を対象に、岩盤の掘削工程を復元的に考察した。 それぞれの遺跡の造営年代や性格は異なるものの、いずれも岩盤の掘削作業と並行しながら、石棺や木材の搬入、レリーフ作業などの工程を進め、作業全体を効率よく推し進める手法が認められた。また被葬者が決まる前に墓の一部を完成させておくことや、複数の墓を一元的に管理し、作業員を適切に配置する手法など、合理的な工程が踏まれたことを明らかにした。
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