研究課題
今年度は、昨年に引き続き、英国に自生するArum maculatum及び、オーストラリアに自生するDragon lilyの解析を行った。A. maculatumに関する解析は昨年度の温度プロファイルのデータに基づき、その一過的な発熱に関与するメカニズムを解析するため、同植物の発熱器官から得られたミトコンドリアを用いたプロテオーム解析を行い、恒温性を有するザゼンソウと比較した。その結果、脱共役タンパク質を含む複数の因子の発現に差異があることが明らかとなった。さらに、同植物の発熱器官から調製したミトコンドリアには、本植物の熱産生に密接に関与すると予想されるシアン耐性呼吸酵素のターンオーバーに関連する因子が存在することを示唆する結果が得られた。また、Dragon lilyの発熱制御に関するデータを基に、呼吸活性の温度応答に関する知見を得るため、メタボローム解析を行った。その結果、コハク酸を含む代謝産物が温度低下により有意に増大することが判明した。一方、調製したミトコンドリアを用いた呼吸解析においては、コハク酸の増大のみでは発熱器官における呼吸の増大を十分に説明できないことが判明した。一方、Dragon lilyのメタボローム解析結果から、温度変化がEnergy charge値に有意な影響を与えることが明らかとなり、本植物における呼吸変動はATP等の産生システムとも密接な関連を有している可能性が示唆された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Metabolomics
巻: 00 ページ: -
10.1007/s11306-013-0509-x
Biochem. J.
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